研究課題/領域番号 |
08256243
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
田井 直 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍免疫研究部門, 研究員 (70112092)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ガングリオシド / 小脳顆粒細胞 / モノクローナル抗体 / 糖鎖 / 細胞死 |
研究概要 |
我々は精製糖脂質などを免疫原とする効率の良い糖鎖抗体作製法を開発した。この方法を用いて、一連の抗糖鎖特異マウス単クローン抗体の樹立とその結合特異性の解析を報告している。医学、生命科学における糖鎖抗体の応用は多岐に渡る。中枢神経組織に大量に発現される糖鎖に焦点を絞っている。最初に、成熟および生後の発達過程のラット脳におけるガングリオシド(シアル酸含有スフィンゴ糖脂質)の局在・分布を免疫組織化学的に解析した。その結果、各ガングリオシドの発現は神経層や細胞に特異的であることを見いだした。続いて、ラット小脳初代培養神経細胞に発現される糖脂質も同様な手法により細胞特異的であることが判明した。上記結果は、糖鎖は神経細胞の分化抗原であり、有用なマーカーになることを示した。本年度は、これら糖鎖の機能解明を目的として、一連の抗糖鎖抗体の添加による細胞応答を検討した。各種抗体を培地に添加して細胞への効果を観察したが、何れの調製時期、培養時間および濃度においても顕著な影響(細胞分化・増殖・死、神経突起の伸展、細胞接着等)は認められなかった。この結果は、上記アプローチによるガングリオシドのシグナル伝達機構解析は容易でないことを示唆した。次に、糖鎖(GalCer)発現に関与する蛋白質のcDNAクローニングとその機能を解析した。ラット脳より調製したcDNAライブラリーより直接発現クローニング法を用いてp34A34を単離した。推定アミノ酸配列の解析結果は、転写調節または情報伝達因子の可能性を示唆した。更に、細胞への遺伝子導入により、形態変化の誘導、細胞増殖の低下が観察された。現在、この蛋白質の性状やこの機構を詳細に解析している。
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