研究課題/領域番号 |
08256244
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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研究分担者 |
鈴木 英紀 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30158977)
宇山 佳明 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20281686)
石田 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 神経細胞死 / 脊髄前角運動神経細胞 / 筋萎縮性側索硬化症 / クロマトライシス / 興奮性アミノ酸 / グルタミン酸 |
研究概要 |
L-グルタミン酸を出生直後から仔ラットに連日大量(4g/kg皮下注)投与すると、投与開始後数日して、脊髄運動ニューロンの喪失を伴う神経変性疾患が生じることを既に報告した。生まれた直後のグルタミン酸単回投与群において、尾の付け根までほとんど痛覚が消失しているが尾は動かせるものがしばしば観察された。後肢対麻痺は殆どグルタミン酸連続投与5-7回目後に発症し、腹部から後肢の体表面の痛覚がほとんど消失していた。この疾患(脊椎運動ニューロンの喪失)の発症率は、4%程度であり、筋萎縮性側索硬化症モデルとして種々の実験を行うには、はなはだ効率が悪い。その後、発症した仔ラットの親に何度も妊娠させてその仔ラットを使う、グルタミン酸投与後の供給酸素量を調製する、グルタミン酸投与後の仔ラットの体温低下を防ぐ、グルタミン酸の投与総量を一定にして間欠的に与えることにより痙攣を軽減させるなど、発症率の向上を求めて種々の検討を行ったが、残念ながら、発症率を向上させることは基本的には出来なかった。一方、新たに強直性対麻痺発症ラット数匹における病理組織学的検討を再び行い、以下の点が新たに確認された。発症ラットでは、腰随後根はほぼ正常であるのに、前根が対照に比べて著しく細くなっており、大型の前角細胞を中心とした神経細胞の脱落と、それに伴うグリオーシスが認められた。また、脊髄下部では、ほぼ全域にわたって運動神経細胞が死滅したにもかかわらず、脊髄上部にいくに従って、変性の程度は減弱したが、残存している脊髄前角細胞の大半にニッスル物質の崩壊(クロマトライシス)が認められ、前角内の髄鞘の密度は疎となっていた。クロマトライシスは電子顕微鏡によっても確認された。
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