研究課題/領域番号 |
08258204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大日方 昂 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
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研究分担者 |
佐藤 成樹 千葉大学, 理学部, 助手 (40261896)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 心筋C-蛋白質 / ミオシン / ミオシン結合蛋白質 / 筋原繊維形成 / アイソフォーム / 心筋 / 骨格筋 / 筋発生 |
研究概要 |
C-蛋白質はミオシンの集合の制御に関わる一方、筋原繊維内の弾性繊維蛋白質コネクチン(タイチン)に結合し、サルコメア構造の形成で重要な役割をもつ。心筋C-蛋白質の突然変異が家族性心筋肥大症の一因となることが報告されているが、このことは心臓の形態形成と機能維持におけるC-蛋白質の重要性を示唆している。本研究では心筋形成におけるC-蛋白質の役割を解明するために、マウスの筋形成過程でのC-蛋白質の発現を心筋、速筋、遅筋C-蛋白質に対するcDNA断片をプローブとしてノーザンブロット法で解析、心筋では発生過程を通じて心筋C-蛋白質のみを発現、骨格筋では遅筋型から速筋型への変換が起こることを見出した。マウスでのこの事実は、ニワトリでは骨格筋の発生初期に心筋C-蛋白質が主要成分として発現されることと大きく異なる。そこで更に、C-蛋白質アイソフォームを識別する抗体を用いて蛋白質レベルで更に解析した結果、上記の事実が蛋白質レベルでも確認された。心筋C-蛋白質の特異的な役割を理解するために、マウスの骨格筋C-蛋白質と心筋C-蛋白質の全構造を比較検討することとした。そのためにマウス速筋、遅筋C-蛋白質のcDNA分離、全構造を決定した。その結果、C-蛋白質分子間でN-端側の変異が大きく、ニワトリ、マウス、ヒトの心筋C-蛋白質に共通に見られるリン酸化部位が骨格筋C-蛋白質では欠損することが明らかになった。従って、N-端側領域とりわけリン酸化部位が心筋C-蛋白質の特異的な機能に重要と判断される。既報告のように、ニワトリ心筋C-蛋白質にはリン酸化部位を含む15アミノ酸残基の配列の有無により異なる2種のアイソフォーム(I型、II型)がある。そこで、この15残基を特異的に認識する抗体を作成、I型とII型の発現、局在の違いの有無を検討した結果、心筋ではI型、II型の発現が示唆されたが、胚骨格筋ではI型がほとんど発現されないことがわかった。
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