研究課題/領域番号 |
08258206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和泉 孝志 東京大学, 医学部, 助手 (70232361)
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研究分担者 |
粂 和彦 東京大学, 医学部, 助手 (30251218)
本田 善一郎 東京大学, 保健センター, 助手 (70238814)
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 教授 (80127092)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | PAF受容体 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / エンドトキシンショック |
研究概要 |
生理活性脂質である血小板活性化因子(PAF)はアレルギー反応、免疫反応などの主要なメディエーターであり、脳、心、肺、腎などにおいて生理学機能を修飾する因子としても作用している。心臓はPAFを産生し代謝する能力を有し、摘出心や心筋細胞をPAFで刺激すると受容体を介して血圧低下や徐脈などの作用が表れるが、PAFの果たす役割や、その情報伝達系の分子的メカニズムはほとんど解明されていない。 ラットの心筋初代培養細胞にPAFを作用させると一過性のカルシウム上昇反応を認め、この反応は受容体拮抗剤により完全に阻害された。また、この細胞系においてPAF刺激はc-fos、c-mycなどの初期応答遺伝子の誘導をもたらした。 PAF受容体を心臓に過剰発現したトランスジェニックマウスでは、PAFの静注によって、血圧低下、徐脈などのため数分以内に死亡した。さらに、このマウスはエンドトキシンに対する感受性も増加していた。野生型マウスでは10匹中1匹が死亡したのみであるが、トランスジェニックマウスでは3分の2が3日以内に死亡した。マウス血小板にはPAF受容体は存在せずトランスジェニックマウスにも存在しないため血栓以外の原因が考えられるが死因はまだ明らかになっていない。 現在、PAF受容体を欠損したマウスを作製し解析を進めているところである。このマウスはPAFの静注に対して血圧低下などの反応を示さず、またその腹腔内白血球はPAFに対するカルシウム上昇の応答性を欠除しており本受容体の欠損が確認された。 今後、さらに初代心筋培養細胞のPAFによるシグナルの解析、PAF受容体高発現トランスジェニックマウスおよびノックアウトマウスの表現型の解析を押し進めていき、心筋細胞におけるPAF受容体の機能を解明する予定である。
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