研究課題/領域番号 |
08258209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
若林 健之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011717)
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研究分担者 |
安永 卓生 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60251394)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 心筋 / アクチン / ミオシン / 電子顕微鏡法 / クライオ電子顕微鏡法 / ホログラフィク像再構成法 / 三次元再構成法 / タンパク質間相互作用 |
研究概要 |
本研究は、心筋細胞の主要タンパク質であるミオシンとアクチンの相互作用を、三次元クライオ電子顕微鏡法を用いて、分子レベルで構造学的に解析することを目的として進められた。我々は、クライオ電子顕微鏡法・三次元再構成法を用いて、心筋の場合には特徴的なアクチン-ミオシン相互作用を行っていることを示した(石川ら、1995)。更に、我々は、この特徴的な相互作用を解明するために、個々のタンパク質を可視化し、そのタンパク質間相互作用の様式を明らかにすることを目的として、ホログラフィック像再構成法を開発した。これにより、我々は、生きたミオシン単一分子の可視化に成功した。ヌクレオチドを結合していないミオシン頭部、ADPやADP・Piを結合した頭部を可視化し、そのことを生物物理学会にて報告した(安永ら、1996)。また、個々のミオシン頭部と、X線結晶解析から得られた原子モデルとを比較し、軽鎖結合部位やアクチンクレフトなどサブドメインを観察できた。すなわち、我々が得たミオシン頭部のホログラフィック像からの再構成像は、高い分解能と十分なコントラストを持つ。かくして、我々は、タンパク質単一分子を可視化し、ナノレベルの構造を十分に議論することができるホログラフィック像再構成法を開発できた。この手法を応用することにより、ミオシン頭部とアクチンとが相互作用している現場を捉え、生物物理学会にて報告した(橋場ら、1996)。収縮状態では、ミオシンとアクチンが様々な角度で相互作用し合っていた。このことは、我々に、滑り運動中のアクチンミオシンがその相互作用部位を変化させながら、滑り運動を起こしているという新しいモデルを示唆させる。かくして、我々は、ホログラフィック像再構成法を心筋のアクチンミオシンに適用することにより、心筋の特徴的なアクチン-ミオシン相互作用のメカニズムの解明に、電子顕微鏡を使った構造学の面から迫ることができる手法を手にした。また、心筋は骨格筋と同様に、カルシウムにより制御されている。我々は、タンパク質工学の手法を用いて変異アクチンを作製し、アクチンとトロポミオシンの結合部位を明らかにし、Riochemistry誌に報告した(佐伯ら、1996)。変異アクチンの一つは、野生型よりも、より高い協同性を持つ筋収縮制御能をもつ(佐々木ら、1997)。こうした変異アクチンの解析により、心筋の収縮制御に関わる因子を明らかにすることができる。
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