研究課題/領域番号 |
08258219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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研究分担者 |
山下 宜繁 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
西田 昌司 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
星田 四朗 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | heart stress / マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(Mn-SOD) / heat shock protein(HSP72) / 心筋虚血耐性 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
研究概要 |
ストレス負荷に対する心臓の適応現象における、内因性蛋白質誘導の役割をラットの心筋梗塞モデル、培養心筋細胞の低酸素-再酸素化モデルを用いて検討した。 in vivoラット心筋梗塞モデルにおいて、非致死的なheat stressの24-72時間後に心筋の虚血耐性が獲得されたが、heat stressによる心筋組織中のheat shock protein72(HSP72)の誘導と虚血心筋保護効果の時間経過は全く一致しなかった。一方、心筋組織中の内因性の抗酸化酵素であるミトコンドリアのマンガンスーパーオキシドジスムターゼ(Mn-SOD)の蛋白質量がheat stressの24-72時間後に著明な上昇が認められることより、この虚血耐性獲得とMn-SODの誘導との関連が考えられた。次に、非致死的heat stressによるMn-SOD及びHSP72の誘導の確認と、heat stressによる低酸素耐性獲得とMn-SODの誘導の関連の有無をラット新生児培養心筋細胞を用いたin vitroモデルにより検討した。培養心筋細胞に対して非致死的な短時間のheat stressを与えると、Mn-SOD及びHSP72蛋白質量はheat stressの24時間後に有意に増加した。Mn-SODが誘導されるheat stress24時間後に致死的な低酸素再酸素化刺激を与えると培養液中のクレアチンキナーゼ(CK)値は前処置群では無処置群に比し有意に減少し、心筋細胞の低酸素耐性現象が認められた。ここで、Mn-SODのmRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与すると、HSP72の誘導には影響を与えなかったが、Mn-SODの誘導は完全に抑制されるとともにCK値の減少は消失した。以上より、非致死的heat stressにより低酸素耐性が獲得されるが、HSP72ではなくMn-SODの誘導自体がこの耐性獲得に直接的に関与していることが示唆された。 これらのことより、in vivoモデルで認められた非致死的なheat stress24-72時間後の心筋虚血耐性の獲得には、内因性ミトコンドリアMn-SODの誘導が中心的な役割を果している可能性が考えられた。
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