研究課題/領域番号 |
08260202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深田 吉孝 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80165258)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | G蛋白質 / 脂質修飾 / 光情報伝達 / 2次元結晶 / 視細胞 / ファルネシル化 / ゲラニルゲラニル化 / 立体構造 |
研究概要 |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を進め、以下の知見を得た。 1.三量体G蛋白質のγサブユニットには、現在までに10種類以上のサブタイプが報告されている。このうち、視細胞のG蛋白質トランスデューシン(Tα・Tβγ)のγサブユニットはC末端システイン残基がファルネシル化(C15H25)されているのに対し、他のG蛋白質γサブユニットの多くはゲラニルゲラニル化(C20H33)されている。本研究では、修飾イソプレノイドの鎖長がβγ複合体の機能に及ぼす影響を明らかにする目的で、本来ファルネシル化されるTβγを人工的にゲラニルゲラニル化することを試みた。その結果、ゲラニルゲラニル化γとファルネシル化γを約9:1の割合で含む変異Tβγを作成することに成功した。そこでまず、得られた変異Tβγとファルネシル化Tβγの視細胞外節膜に対する親和性を比較したところ、前者の方が後者よりも外節膜に対して高い親和性を示すことが判明した。次に、Tα-Tβγ間の相互作用に及ぼす修飾イソプレノイドの鎖長の効果を検討する目的で、TαのGTPγのS結合反応、および百日咳毒素によるTαのADPリボシル化反応を指標として、これら二種類のTβγの促進効果を比較した。その結果、いずれの反応においても変異Tβγはファルネシル化Tβγよりも高い促進能力を示すことが明かとなった。したがって、修飾イソプレノイドの鎖長の違いによってTβγ複合体の視細胞外節膜への結合の強さ」と「サブユニット間の相互作用の強さ」の両方が変化すると考えられた。 2.藤吉好則教授(京大・理)との共同研究により、インタクトな修飾脂質をもつTα-Tβγの2次元結晶を脂質膜上に作成した。現在、まだ分解能は低いが、極低温電子顕微鏡による観察像からTα-Tβγのプロジェクションマップを計算している。今後、分解能の向上とともに、原子座標のフィッティングを行う。
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