研究課題/領域番号 |
08260219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
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研究分担者 |
若尾 りか 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (20277586)
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (70167914)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Bcl-2ファミリー / Bcl-x / アポトーシス / X線結晶解析 / Bax / 脱アミド |
研究概要 |
アポトーシス制御因子Bcl-xの高次構造を解明する目的でラットBcl-xを大腸菌で大量に発現させ、蛋白質として均一になるまで精製した。T7プロモーター下流にラットBcl-xcDNAを接続しlacプロモーター下流に接続したT7RNAポリメラーゼ遺伝子を発現させBcl-xを大量に発現させた。精製は、DEセルロースカラム、hydrophobicカラム、分子ふるいカラム、MonoQカラムによって精製した。MonoQカラムでは精製されたBcl-xは2本のバンドを示した。それぞれのバンドを示す蛋白質を均一に精製し結晶化した。そしてX線結晶解析を行ない、ついに立体構造を明らかにすることに成功した。基本的には、変性ヒトBcl-xを再生させて得た試料を用いて解析したFesikらの結果と同一であったがBcl-2ファミリー間でダイマーを形成するのに必要な領域BH2ドメインに違いがあった。 Bcl-xの2本のバンドはAsn-Glyの配列のAsn残基の脱アミドによって生じることが判明した。Bcl-xにはAsn-Glyの配列が3箇所あり、少なくとも一箇所はBH2ドメインに存在するAsn-Gly配列は脱アミド化されていない。FesikらはBH2ドメインのAsn-Gly-Glyの配列は異常な構造をとっていると記載あれているが、私たちの決定した構造では特に異常な構造はとっていない。彼等の試料は変性再生の過程をへて精製されたので、BH2領域の脱アミドが生じた可能性が高い。したがって、解析に要した時間はかかったが、正確な立体構造を提出することができた可能性が高い。 ついで、アポトーシスを促進するBaxの致死領域を決定した。この領域ではマウス細胞にアポトーシスを誘導した。また、アポトーシス誘導活性をもつ最小構造ではBcl-2によってアポトーシスの抑制が見られないことから、Bax自身にアポトーシス誘導活性があることが推定された。
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