研究課題/領域番号 |
08260221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
嶋本 伸雄 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (20127658)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 転写 / 転写調節 / シグマ70 / RNAポリメラーゼ / プロモータークリアランス / モリバンド複合体 / 微小カラム転写法 / 大腸菌 |
研究概要 |
全生物の転写において、RNAポリメラーゼがDNA上のプロモーターに結合した後に、短鎖RNAの合成・解離が起こるが、その原因は未知であった。申請者らは、短鎖RNAの合成・解離をおこなう新種の転写複合体(Moribund Complex)と、従来の直列モデルと異なる新しい反応機構とをλPRプロモーターからの転写で見出した。この現象は転写開始調節を統一的に理解できる基盤になるとともにσ因子の解離、RNA切断因子の作用機構という転写開始期の大きな問題の解決の可能性をもつ。 短鎖RNAの生成が減少する、転写開始因子σ70に変異(S506F,P504L)を持つ変異RNAポリメラーゼと、T7A1プロモーターからの転写を検討し、提案された新しいモデルの普遍性を検討した。この結果、変異ポリメラーゼを用いた場合でもT7A1転写の場合でもいずれもMoribund Complexの解離の加速により、Moribund Complexの蓄積が少なくなることが明らかになり、新しいモデルの有効性が証明された。 また、蛋白質の非特異的吸着が少ない樹脂の合成に成功し、これを用いて固定化したDNAカラム上で転写をおこない、Processive ComplexとMoribund Complexを分離し、OHラジカル法でタンパク質フットプリント法を行い、二つの複合体においてσ70のコンフォーメーションが異なっていることが明らかになった。 IEEE Trans IAの論文について、米国応用電気電子学会より、ジェームズメルヒャ-賞を授与された。1996年藤原賞を授与された。
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