研究課題/領域番号 |
08261202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横田 崇 東京大学, 医科学研究所, 客員教授 (50134622)
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研究分担者 |
西中村 隆一 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員
高木 峰生 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (10272501)
平家 俊男 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (90190173)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 自己複製機構 / gp130 / Leukemia Inhibitory Factor(LIF) / 胚幹細胞(ES細胞) / STAT3 / シグナル伝達分子 / キメラ受容体 |
研究概要 |
1)ヒトGM-CSF受容体α鎖、β鎖の各種欠失変異体、点突然変異体、キメラ受容体遺伝子を作製し、マウスIL-3依存性プロB細胞株BaF/3に導入し、遺伝子発現、抗アポトーシス、タンパク質チロシンりん酸化、アダプター分子の活性化、細胞増殖の促進に必要な領域を同定した。(2)ヒトGM-CSF受容体α鎖、β鎖を発現するトランスジェニックマウスを作製し、トランスジェニックマウス由来の骨髄細胞を用いたコロニー形成能を検討した結果、ヒトGM-CSFにより赤芽球コロニーを含む全ての系列のコロニーを形成しうることが明らかとなった。この結果から、ヒトGM-CSFはレセプターの発現を通して造血幹細胞の増殖能を制御するが、必ずしも分化の決定者ではないことが結論された。 これらの結果に基づき、血液幹細胞を未分化状態で培養することを目的として、GM-CSFの種特異性に注目し、ヒトGM-CSF受容体の細胞外領域に、細胞レベル、個体レベルで複製、再生に重要な役割を果たすと考えられる因子の受容体細胞内領域を融合したキメラ受容体を作成した(hGMRα/mgp130,hGMRβ/mLIFR)。これらの遺伝子をトランスジェニックマウスの手法を用いてマウスの血球細胞に導入発現させた。ヒトGM-CSFによりこれらの特定のキメラ受容体を介するシグナル伝達系を活性化し得ることが明かとなった。現在、造血幹細胞の自己複製、分化能に及ぼすヒトGM-CSFの効果について検討している。さらに、キメラ受容体遺伝子を現在培養可能な唯一の幹細胞である胚幹細胞(ES細胞)に導入し、ヒトGM-CSF依存的に未分化状態で自己複製することを明かにした。自己複製に必要なキメラ受容体の細胞内領域を同定したところ、STAT3の活性化に必要な領域と相関があることが明かとなった。今後、幹細胞の自己複製、分化に関与する、これらの受容体に共役する細胞内シグナル伝達分子を研究する予定である。
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