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アデノウイルスを使ったEGF受容体遺伝子導入による造血幹細胞の増幅

研究課題

研究課題/領域番号 08261203
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

柴田 洋一  東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010474)

研究分担者 黒川 峰夫  東京大学, 医学部・附属病院, 医員
佐々木 光  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282638)
研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード造血幹細胞 / 細胞増幅 / アデノウイルス / EGF受容体 / 細胞増殖 / 細胞分化
研究概要

これまで、種々のサイトカインの組み合わせにより血液幹細胞を体外で培養し増幅させる試みが行われてきた.しかし,血液細胞に増殖作用を有するサイトカインは,同時に分化誘導作用を持つため,これらを用いて多分化能血液幹細胞を効率良く増幅させることは困難であった.
そこで我々は,fibroblastなどで増殖シグナルを伝達するが,血液細胞では発現のないEpidermal Growth Factor(EGF)受容体の遺伝子を,血液幹細胞に導入して,EGF刺激により分化誘導を伴わない細胞増殖をおこさせる系を開発することにした.
遺伝子導入のベクター系としては,アデノウィルスを用いている.アデノウィルスを用いる理由は、
1) アデノウィルスは,増殖能の低い細胞に効率良く感染する.このため,dormantな多分化能血液幹細胞への遺伝子導入に都合がよい.
2) アデノウィルスは,感染した細胞のgenomeに組み込まれることがなく,細胞内に一過性に存在する.従って,体外増幅の後に細胞を患者に移植しても,ウィルスが細胞内に長期に存在することはなく,アデノウィウス感染による副作用の危険性が低い.
すでに我々は,ヒトEGF受容体遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクターの開発を行い,モデル実験として,血液細胞株への感染実験を開始した.
作成した、ヒトEGF受容体遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクターをヒト血液細胞株へ感染させた後、ヒトEGF受容体の発現を確認したところ、細胞表面におけるヒトEGF受容体の発現が確認された。更に、ヒトEGF受容体を発現したヒト血液細胞株をヒトEGFで処理し、細胞が反応するか否かを解析したところ、細胞増殖という点から反応が認められた。この実験結果はヒト血液細胞株に発現させたEGF受容体がEGF刺激に反応して増殖シグナルを伝えたことを示すものである。
このように遺伝子操作を用いて血液細胞の増幅を試みた研究は,今までにほとんど例を見ない。この方法は,基礎検討が成功すれば,臨床にも比較的容易に応用できると期待される。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kurokawa,M.: "Overexpression of the AML1 proto-oncoprotein in N1H3T3 cells leads to neoplastic transformation depending on the DNA-binding and transactivational potencies." Oncogene. 12. 883-892 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kurokawa,M.: "A conserved cysteine residue in the runt homology domain of AML1 is required for the DNA-binding ability and the transforming activity on fibroblasts." J Biol Chem. 271. 16870-16878 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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