研究課題/領域番号 |
08261206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
工藤 明 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (70178002)
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研究分担者 |
竹下 淳 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50263009)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ストローマ / B細胞分化 / 細胞接着 / カドヘリン / CD9 |
研究概要 |
血液細胞の分化増殖には骨髄の微細環境が必要である。一方この微細環境は骨形成の場であり、骨形成と造血の関連についてほとんど研究がなされていない。我々は骨形成のメカニズムの解明から骨髄の分子機構を明らかにしたいと考えて研究している。 我々は骨形成因子の間葉系、ストローマ細胞に対する関与をin-vivo、in-vitroで調べており、骨形成因子BMP-2,ヒトGDF-5はin-vivoで骨髄形成を誘導する。またB細胞と破骨細胞を共通にサポートするストローマ細胞PA6,ST2,OP9はいずれも骨芽細胞の前駆細胞であり、BMP-2の存在下で骨芽細胞に分化する。従って骨形成の環境が造血に大きな影響を及ぼしていることが分かってきた。 我々は更にストローマ細胞の機能を分子レベルで解明するため、ストローマ/前骨芽細胞からの特異的遺伝子のクローニングを試み、そり結果、新規接着遺伝子OSF-2、OBカドヘリン、CD9を単離し、その機能を解析している。 OBカドヘリンは骨形成に関与する初めてのカドヘリンでCaイオン依存性の接着を示す。ヒトには2種のmRNAが存在し、通常型以外にオールタナティブスプライシングの産物である異性体が存在する。異性体は胎児の臓器に多くみられるが、更に骨肉腫患者検体に優位に存在し、これまでのカトヘリンとは異なる機能が考えられる。異性体をL細胞に導入しても同種間接着しない。更にOBカドヘリンはB系細胞にも検出され、カドヘリンを介したストローマと造血細胞の相互作用が考えられる。CD9はこれまで主に血小板の凝集に関与していることが分かっているtetraspan familyの1つであるが、我々は骨髄ストローマST2の細胞表面に発現していることを見出した。L細胞に導入した結果、その細胞形態が変化し他の接着分子を誘導していることが考えられるが、今のところそれはB1インテグリンではない新規の分子である可能性が高い。
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