研究課題/領域番号 |
08261208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
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研究分担者 |
江良 択実 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00273706)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 赤血球 / 中胚葉誘導 / マウス / 発生 / ヘモグロビン |
研究概要 |
個体発生においては二種類の赤血球が存在することが知られている。一つは卵黄嚢で産生され胎生初期に存在する胚型赤血球であり、もう一つは胎児肝ならびに脾臓・骨髄において産生される成体型赤血球である。これら二種類の赤血球は、数多くの共通した性質を有するが、胚型赤血球は有核で胚型ヘモグロビンを発現すること、成体型赤血球は無核で成体型ヘモグロビンを発現することなどの相違を示す。これら二つの種類の赤血球が発生過程において、赤血球に運命づけられた共通の前駆細胞から分化するのか、それとも、異なった細胞系列に属するものであるのかというのは、造血発生における永年の謎であった。本研究においては、マウス胚性幹細胞からの分化誘導法(OP9法)における胚型赤血球と成体型赤血球の出現パターンが、個体発生における胚型赤血球と成体型赤血球の発現パターンと極めて類似していることを利用して、この問題の解決を試みた。その結果、(1)胚型赤血球の発生にはSCF/c-Kitのシグナルが不要であるが、成体型赤血球の発生には必須であること、(2)胚型赤血球の生存にはエリスロポエチンのシグナルが必須であるが、成体型赤血球の生存には必ずしも必要ではないこと、(3)両者に共通の前駆細胞は、たとえ存在しても極めて低頻度であるか極めて一過性のものであること、などがあきらかとなった。これらの結果から、胚型赤血球と成体型赤血球は異なった細胞系列に属する細胞であり、共通の前駆細胞から分化してくるものではないことが証明された。
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