研究課題/領域番号 |
08262209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
前島 正義 名古屋大学, 農学部, 助教授 (80181577)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 器官特異性 / 液胞膜 / 水チャネル / カルシウムイオン膜輸送 |
研究概要 |
本重点領域研究「植物器官プラン」に関連し、植物液胞膜の物質輸送システムの中で、特に水チャネル、およびCa^<2+>能動輸送系の機能、構造を明らかにした。 高純度の液胞膜を多量に得ることのできるダイコンを材料とし、水チャネル類分子VM23のcDNAを解析した。γ-VM23(253アミノ酸)とδ-VM23(248アミノ酸)のcDNAを得て解析した。2つのmRNAをツメガエル卵に注入して水チャネル機能を測定し、2つが水チャネル機能を持つことを明らかにした(共同研究:生理学研究所岡田泰伸教授、森島繁博士)。すなわち、2つのmRNAの卵への注入により水透過率が著しく上昇した。γとδ-VM23は、いずれも水チャネルファミリー固有のAsn-Pro-Alaモチーフをもち、両者の一次構造の60%が一致した。器官別の発現をみると、γ-VM23は根、茎、葉で発現していたが、δ-VM23のmRNAは根には検出できなかった。植物の地上・地下部で水チャネルの発現調節が異なる可能性がある。さらに、ダイコンの細胞質膜水チャネルもcDNAを得た。細胞質膜分子(PAQ1)はアミノ酸286個からなり、液胞型よりもN端側部分が30数残基長い。液胞のγ-、δ-VM23とは38%のアミノ酸が一致するのみであった。細胞質膜水チャネルは多量には存在せず、生理的な変動も著しいと推定される。 植物細胞の主要な細胞内Ca^<2+>プールは液胞である。ヤエナリ液胞膜には、液胞へのCa^<2+>能動輸送装置としてCa^<2+>-ATPaseとCa^<2+>/H^+対向輸送体の2つがあることを示し、酵素学的性質を明らかにした。液胞膜Ca^<2+>-ATPaseはATPのみを基質とし低Ca^<2+>条件で高い活性を発揮する。一方、Ca^<2+>/H^+対向輸送体は10μM以上で高い活性を示す。生理的な細胞質Ca^<2+>濃度を考慮すると、Ca^<2+>-ATPaseが主要なCa^<2+>輸送体として機能し、対向輸送体は細胞質Ca2+を1μM以下に維持する役割を担っていると考えられる。
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