研究課題/領域番号 |
08264101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅香 正博 北海道大学, 医学部, 教授 (10113507)
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研究分担者 |
杉山 敏郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00196768)
千葉 勉 神戸大学, 医学部, 教授 (30188487)
藤岡 利生 大分医科大学, 医学部, 助教授 (90145368)
三木 一正 東京大学, 医学部, 講師 (70107639)
今井 章介 北海道大学, 医学部, 講師 (60232592)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1996年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | H. pylori / Cag A gene / 胃癌 / 胃炎 |
研究概要 |
H. pylori感染と胃粘膜病変の発生との関わりについては、その全貌が次第に明かなってきている。すなわち、H. pylori感染初期には、急性胃炎様変化がみられ、感染が長期に持続するにつれて胃粘膜の萎縮を生じ、一部は胃癌発生の前癌状態ともいえる腸上皮化生に移行する。世界中で行われた疫学調査の結果、胃癌とH. pylori感染の関連性を示唆する結果が多く得られている。本年、われわれはHelicobacter pylori (H. pylori)と胃癌の発生との関わりについての疫学的研究を行い、以下の諸点を明らかにした。 1.健常人H. Pyloriの抗体陽性率は、年代が増すほど上昇した。0歳から30歳までは、1年に1%の割合で上昇したが、40代で70%へ急上昇した後、以後はプラトーに達した。 2.どの年代においても、H. pylori抗体陽性者は、陰性者に比し、炎症細胞浸潤の程度が明らかに高く、胃粘膜萎縮の頻度も著名に高かった。腸上皮化生は、抗体陰性群では認められなかった。 沖縄、北海道と胃癌の発生率の異なる2地域のH. pylori感染について感染について検討を行ったところ、両地域には、いずれの年代においてもH. pylori陽性率の差は認められず、血清ペプシノーゲン1・2比も有意義は認められなかった。また、H. pylori菌種の毒性のマーカーであるcagA geneの発現にも差異は認められなかった。したがって、胃癌の発生にはH. pyloriに感染に加えて、環境因子など他の要因の関わりが重要であることが示唆された。
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