研究課題/領域番号 |
08264106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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研究分担者 |
森 秀樹 岐阜大学, 医学部, 教授 (70021433)
西野 輔翼 京都府立医科大学, 教授 (10079709)
井村 伸正 北里大学, 薬学部, 教授 (70012606)
成澤 富雄 秋田大学, 医療技術短期大学部, 教授 (20006711)
広瀬 雅雄 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (90145748)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1996年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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キーワード | 化学予防 / 抗酸化剤 / 抗発がん性 / 抗変異原性 |
研究概要 |
本研究では生物化学、基礎医学の研究者がグループとなって、がん化学予防の基礎となるin vitroでの抑制物質の検索と反応機構の検討、動物実験による証明、ヒトへの適用の可能性を検討している。 1.発がん性、変異原性抑制機構:エピガロカテキンガレート(EGCG)はMeIQxのDNA付加体形成をクロロフィリンと同様に抑制した。天然カロテノイドのリコピンは優れた肺発がん抑制効果を示し、RB遺伝子の発現を強く促進したことから、がん抑制遺伝子の発現を促進することが作用機序の一つと考えられた。ビタミンE欠乏状態において、セレンの投与は自然発症肺がんの形成に有意な影響を与えなかった。脱カフェイン緑茶抽出物(Dec-GTE)はGTEより強い発がん抑制効果を示し、これは発がんイニシエーション期にも有効であった。またヒト飲用において副作用は全く認められず、臨床応用への可能性が示された。 2.発がん抑制物質の検索:クロロフィリンはトランスジェニックマウスを用いた実験でもTrp-P-2の変異原性発現を抑えた。ビールは少量でGlu-P-1(NHOH)やMNNGの変異原性を抑制し、その成分は水溶性のビール着色成分であることが示唆された。しかしながら、MeIQx,PhIP,IQ,MeIQ,2-AFの活性化体、MMS、BPDEに対しては抑制効果を示さなかった。合成抗酸化剤5種のMeIQx肝発がんに対する抑制作用を比較検討したところ、抗酸化能の最も強いHTHQに最も強い抑制作用が見られ、発がんにおける酸化的傷害の関与をさらに裏付けた。クロレラ粉末(クロロフィル含有)、トマトジュース(リコペン含有)はMNU誘発大腸がんを有意に抑制した。DEN-PB誘発ラット肝発がんにおいて無臭にんにく成分の有機硫黄化合物スコルジニンが、イニシエーション期、プロモーション期共に抑制効果を示した。
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