研究課題/領域番号 |
08264213
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
森 秀樹 岐阜大学, 医学部, 教授 (70021433)
|
研究分担者 |
杉江 茂幸 岐阜大学, 医学部, 助教授 (60187648)
吉見 直己 岐阜大学, 医学部, 講師 (30166996)
田中 卓二 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40126743)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 大腸がん / 発がん / プログレッション / 化学予防 / Methylazoxymethanol acetate / 1,2-Dimethylhydrazine / α-Difluoromethylornithine / ラット |
研究概要 |
200匹の6週齢雄Fischer344ラットを8群に分け、第1〜4群ではmethylazoxymethanol(MAM)acetateを3回腹腔内投与した。実験開始後16週から、第3〜6群では1,2-dimethylhydrazine(DMH)を10回皮下投与した。更に、実験開始後15週から、第2、4、6、7群ではα-difluoromethylornithine(DFMO)を飲水投与した。第8群は無処置対照群とした。実験開始後40週ですべてのラットを屠殺・剖検し、病理組織学的な検索を行った。 MAM acetateのみを投与した第1群では31%に大腸の腺がんを認めたのに対し、MAM acetate処置後DMHを投与した第3群では62%にがんを認め、大腸がんの発生率が有意に増加した(P<0.05)。また、第1群では低分化型のがんが1匹あたり0.31個、固有筋層以深に及ぶ浸潤がんが0.24個発生したのに対し、第3群では低分化がんが0.69個,浸潤がんが0.65個で、いずれも有意に増加していた(P<0.05;P<0.01)。リンパ節および他臓器への転移は、第3群で31%にみられたが、第1群では転移を認めなかった(P<0.005)。これらの結果より、DMHはMAM acetate誘発大腸発がんに対してプログレッション作用を示すと考えられた。一方、MAM acetate処置後DFMOを投与した第2群、ならびにMAM acetate処置後DMHおよびDFMOを投与した第4群は、それぞれ第1群、第3群に比して、有意差はみられないものの、大腸がん発生頻度の抑制傾向を示した。しかしながら、低分化がんや浸潤がんの個数および転移の頻度について、DFMO投与による変化は認められなかった。この結果から、DFMOの大腸発がんプログレッションに及ぼす化学予防効果は乏しいと考えられた。
|