研究概要 |
我々は以前に、XPA蛋白質(XPA)の損傷DNA結合能がRPAにより上昇すること、また抗XPA抗体による免疫沈降で細胞抽出液よりRPAがXPAと共沈することを示しているが、ヌクレオチド除去修復(NER)におけるXPAとRPAの結合の意味については明らかではなかった。そこで、RPAの70kDaサブユニットとの結合に必要な領域を含むXPAのDNA結合ドメインに対するモノクローナル抗体を作成した。得られた抗体のうち2クローンは、試験管内無細胞DNA修復反応を阻害した。またこれらの抗体は、XPAとRPAの結合を阻害したが、XPAの損傷DNA結合活性は阻害しなかった。これらの結果より、XPAとRPAの結合のNERにおける重要性が示唆された。 出芽酵母におけるXPAのホモローグであるRad14も酵母RPAと結合したので、酵母RPA各サブユニットの遺伝子(RFA1,2,3)に突然変異を導入し、UV高感受性株、温度(高温および低温)感受性変異株のスクリーニングをプラスミド・シャッフリング法により行った。UV高感受性株はrfa1変異株で2株、温度感受性変異株はrfa1変異株で1株、rfa2変異株で4株、rfa3変異株で3株の計8株を単離し、変異部位を決定した。 酵母two-hybrid systemを用いて得られた5種類のXPAと結合する新規の蛋白質(XPA binding protein;XAB1-5)のうち、XAB1はGTP/ATP結合モチーフ、XAB2はTPRモチーフを持つことがわかった。
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