研究課題/領域番号 |
08264227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長瀧 重信 長崎大学, 医学部, 教授 (70010311)
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研究分担者 |
柴田 義貞 (財)放射線影響研究所, 疫学部, 部長
横山 直方 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (10240219)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 小児甲状腺がん / ヒバクシャ / チェルノブイリ / アポトーシス / p53 |
研究概要 |
人類史上最悪のチェルノブイリ原発事故への国際医療協力、学術交流を目的に、世界のヒバクシャの調査データと比較しながら、放射能汚染地区に多発している小児甲状腺がんの疫学調査を中心に成因究明をめざし、分子生物学的特徴の解析を行った。 (1)チェルノブイリ周辺の小児甲状腺検診体制は各国保健省との共同事業として統一された診断基準、標準化されたプロトコールを用いた疫学調査を行っており、今回は甲状腺超音波画像異常と甲状腺疾患の発生頻度(結節、がん)を明らかにした。さらに、世界のヒバクシャ医療・医科学の実態についてシンポジウムを行い、未解明なヒバクシャ問題の現状を明らかにした。 (2)ベラル-シ(被曝群)と日本(非被曝群)における小児甲状腺がんの臨床、病理学的差異について各々29例、33例で検討した。小児甲状腺がんの多発地区であるゴメリ州(ベラル-シ)の組織学的特徴は乳頭がんで間質の変化が強く浸潤・転移傾向を認めた。 (3)チェルノブイリ周辺の小児甲状腺がんの細胞診の特徴は核の異形性が強くp53の点突然変異はないが低分化傾向を示した。 (4)ヒト甲状腺細胞培養を行い、Fas抗原やp53の役割を細胞生物学的および遺伝子導入実験にて検討した。その結果、正常甲状腺細胞が放射線アポトーシスに陥りにくい機序とTSHの関与、p53の機能を明らかにした。p53は更に切断された遺伝子を再修復する機能を有することを明らかにした。
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