研究課題/領域番号 |
08264238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
美野輪 治 財団法人癌研究會, 癌研究所細胞生物部, 研究員 (00181967)
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研究分担者 |
柴田 浩行 財団法人癌研究會, 癌研究所細胞生物部, 研究員 (50260071)
高野 洋志 財団法人癌研究會, 癌研究所細胞生物部, 研究員 (00241555)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ヒト白血病 / PEBP2αB遺伝子 / AML1遺伝子 / PEBP2β遺伝子 / ジーンターゲティング / Cre組換え酵素 / LoxP配列 / 胎仔性肝造血 |
研究概要 |
ヘテロダイマーとして機能する転写因子であるPEBP2/CBFの機能を解析するため、2つのサブユニットをコードするAML1/PEBP2αB(αB)遺伝子、及びPEBP2β/CBFβ(β)遺伝子のノックアウトマウスを作成した。αB遺伝子はDNA結合能を担うruntドメインを標的とし、runtドメインの中央部をコードするエクソン4をネオマイシン耐性遺伝子(neo)に置換した。β遺伝子は転写開始点を含むエクソン1をneoに置換することにより、いわゆるnull変異を導入した。これらのベクターが導入されたES細胞をサザンブロッティング法によりスクリーニーングし、αBで17個、βで1個の相同組換え体のESクローンを得た。これらの細胞からブラストシスト注入法により作成したキメラマウスをライン化し、F2マウスを用いて、その表現型を解析した。αBヘテロ変異体では明らかな異常は認められなかったが、ホモ変異体では血球系の異常が顕著であった。組織学的には胎仔性肝造血が著しく障害されており、コロニーアッセイの結果から、血球細胞のほとんど全ての系列の発達に異常があると考えられた。また興味深いことに、βホモ変異体の表現型もαBホモ変異体とほぼ同一であった。この結果はPEBP2/CBFは胎仔性肝造血に必須な因子であり、その造血の場においてはαBとβがヘテロダイマーとして機能する必要があることが示唆された。今後更に両因子の機能について詳細な解析を行う予定である。我々はさらに、ヒト白血病で高頻度に検出されるAML1/MTG8キメラ遺伝子の機能を知るためにES細胞におけるノックインにより、このキメラ遺伝子を発現させるためのベクターを作成した。このベクターにはloxP配列が組み込まれており、Cre-loxPシステムを利用してマウス血液細胞で時期・系列特異的にキメラ遺伝子を発現させることが可能である。従って、このマウスが樹立されれば、急性白血病発症の分子機序の解明が可能となると思われる。
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