研究課題/領域番号 |
08264241
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
中地 敬 埼玉県立がんセンター, 研究所・疫学部, 主任研究員 (00142117)
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研究分担者 |
菅 謙司 埼玉県立がんセンター, 研究所・疫学部, 研究員 (50235842)
今井 一枝 埼玉県立がんセンター, 研究所・疫学部, 専門研究員 (80260230)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | コホート研究 / 緑茶 / がん予防 |
研究概要 |
ヒト発がんにおけるさまざまな環境因子と宿主要因を明らかにするため、一般住民を対象としたコホート研究を行っている。対象者の生活習慣に関する疫学調査だけでなく、末梢血サンプルによって一連の生化学的・免疫学的マーカーを測定した。10年間の追跡調査によって、緑茶飲用によるがん予防効果が示された。前年度までの追跡調査結果がまず確認された:(1)全がんの平均罹患年齢は、緑茶摂取が多い群ほど高い。(2)緑茶摂取が10杯以上の女性の年齢階級別がん罹患率は、加齢による罹患率の増加の度合が他群より約10年遅れていた。(3)女性では10杯以上の群の年齢訂正がん罹患率は、他の群より約40%低かった。(4)年齢・喫煙・飲酒・緑黄色野菜摂取を調整した相対危険によると、10杯以上の緑茶摂取による発がんリスクの減少が、女性、男性ともに見いだされた。 本年度は、さらに喫煙との関連およびがん部位別の検討を行った:(5)男性を喫煙者と非喫煙者に分けて相対危険を検討したところ、3杯以下の群に比べ10杯以上の群の発がんリスクは喫煙者で0.75、非喫煙者で0.47に減少した。喫煙者におけるリスクの減少は有意ではないが、喫煙者のがん予防に対する緑茶の可能性を示唆している。(6)男女あわせて主要ながん部位と緑茶飲用との関連を検討した。緑茶の摂取によるリスクの減少が最も顕著に見られたのは肺がんで、性・年齢・喫煙・飲酒・緑黄色野菜・米飯を調整した相対危険は、3杯以下の群に比べ10杯以上の群で0.36と、統計学的にも有意の減少を示した大腸がん(相対危険:0.48)、肺がん(相対危険:0.55)、乳がん(相対危険:0.53)、前立腺がん(相対危険:0.55)、胃がん(相対危険:0.80)に緑茶摂取によるリスクの減少が観察された。
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