研究課題/領域番号 |
08264244
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
加藤 宣之 国立がんセンター研究所, ウィルス部, 室長 (40150883)
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研究分担者 |
水谷 哲也 国立がんセンター研究所, ウィルス部, 研究員 (70281681)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | C型肝炎ウィルス / HCV増殖系 / HCV感染細胞 / HCV分子種 / マイナス鎖RNA / Diffeerential display |
研究概要 |
本研究ではC型肝炎ウイルスの感染により細胞がどのような変化を受け、がん化の方向に誘導されるかを調べることを目的として培養細胞を用いたHCVの持続感染系の開発を行ない、感染細胞内におけるHCVの量的及び質的解析を行なった。同時に、HCV感染により細胞が受ける影響についても解析した。(1)培養細胞を用いたHCV増殖系のCharacterization PCR法を用いたHCV RNAの半定量的解析を開発し、HCVに感受性を示すヒトリンパ球由来のMT-2C細胞内においてHCV RNAが経時的に増加することを明らかにした。また、細胞内におけるHCVの複製中間体と考えられるマイナス鎖RNAを鎖特異的方法を用いて検出することができた。(2)ヒト肝細胞由来の細胞株を用いたHCV増殖系の開発 ヒト肝の非がん部由来でSV40ラージT抗原の導入により不死化したPH5CH細胞を用いたHCVの増殖系の開発に成功した。さらに細胞をクローン化することによりHCVの複製効率の良い3種類の細胞株を得た。(3)HCVの長期培養システムの確立感染後の培養温度を37°Cから32°Cに低下させることによりHCVを長期間培養維持できることを見い出した。32°Cでの培養では最大6.5カ月HCVを維持でき、HCVのcell-freetransmissionの効率も37°Cに較べて良いことが分かった。HCVの複製増殖を制御する因子として増殖因子やサイトカインを想定して各種因子の量を測定したところ、TNF-αのみが32°Cで著しく低下していることが分かった。(4)HCV感染細胞におけるHCV分子種の解析 HCV感染後12日目の細胞におけるHCV分子種を調べた結果、感染に使われた血清中に認められた多くのHCV分子種のうち、ある限られた分子種に収束していることが判明した。従って、細胞に対するHCVのadaptationが示唆された。(5)HCV増殖により発現異常を示す細胞遺伝子の探索HCV感染後1週間以上経過したMT-2C細胞、PH5CH細胞及び未感染細胞由来の総RNAを用いて、RT-PCRをベースにしたdifferential displayを行なった。その結果、HCV感染細胞由来のRNAにのみ検出されるPCR産物がいくつか得られ、現在、それらについて解析中である。
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