研究課題/領域番号 |
08264245
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
河野 隆志 国立がんセンター研究所, 生物学部, 研究員 (80280783)
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研究分担者 |
横田 淳 国立がんセンター研究所, 生物学部, 部長 (10191503)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | がん抑制遺伝子 / 染色体ホモ欠失 / 肺がん / 第2染色体 / Loss of Heterozygosity / ホスホリパーゼC |
研究概要 |
がん細胞のゲノムDNAには染色体欠失、点突然変異など多数の異常が生じており、それにより複数のがん抑制遺伝子が不活化していると考えられているが、既知のがん抑制遺伝子の不活化だけでは、がんの発生、進展の過程を完全に説明することはできない。その理由として、ヒトゲノムDNA上には、未知のがん抑制遺伝子が多数存在することがあげられる。従って、ヒトがんの発生、進展の機構を分子レベルで解明するためには、新しいがん抑制遺伝子の同定が必要である。第2染色体長腕は、肺がん、大腸がん、神経芽腫などの種々のヒトがんで高頻度の欠失がみられること、また第2染色体長腕q33の220kbの領域が肺小細胞がん細胞株、NCI-H82においてホモ欠失していることから、この領域(DH82locus)に未知のがん抑制遺伝子が存在することが示唆されている。第2染色体長腕に存在するがん抑制遺伝子の単離を目的として肺小細胞がん細胞株、NCI-H82におけるホモ欠失領域(DH82locus)の解析を行なった。DH82locusの物理的地図をさらに詳細に作成したところ、ホモ欠失は単純なinterstitial deletionであることが明らかになった。また、DH82locusに存在するマイクロサテライトDNAマーカーを用いてヒト肺がんにおける染色体欠失(Loss of Heterozygosity)について調べたところ、欠失は進行がん、組織学的には未分化ながんで生じていること、第2染色体の共通欠失領域はホモ欠失領域を含む長腕のq32-q37領域であることがわかり、DH82locusには肺がんの悪性化に関わるがん抑制遺伝子が存在することが示唆された。また、ホモ欠失領域内に存在するPLC-L遺伝子の完全長cDNAをクローニングした。この遺伝子は新しいタイプのホスホリパーゼCをコードする遺伝子であり、細胞内のシグナル伝達に関わっていることが予想されることから、その不活化は細胞増殖に関わる可能性がある。
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