研究課題/領域番号 |
08264247
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
畑田 出穂 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室員 (50212147)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ゲノミックインプリンティング / Beckwith-Wiedemann症候群 / サイクリン依存性キナーゼインヒビター / p57KIP2 / Wilms腫瘍 / 小児癌 / 癌抑制遺伝子 |
研究概要 |
p57KIP2はサイクリン依存性キナーゼインヒビターで細胞増殖の負の制御因子である。この遺伝子は11p15.5にマップされるが、この領域には小児癌を多発するBeckwith-Wiedemann症候群(BWS)の原因遺伝子や、Wilms腫瘍、横紋筋肉腫、肝芽腫などの小児癌に関与する癌抑制遺伝子が存在する。家族性のBWSは母親がキャリアであるときのみ発症することや、Wilms腫瘍、横紋筋肉腫、肝芽腫などの小児癌において母親由来の11p15.5の選択的欠失がみられることから、この領域にゲノミックインプリンティングを受けて母親由来の対立遺伝子のみ発現する癌抑制遺伝子が存在すると考えられる。 本研究ではp57KIP2がゲノミックインプリンティングを受けることをみいだした。さらにBeckwith-Wiedemann症候群の患者でp57KIP2の変異をみいだしp57KIP2が本疾患の原因遺伝子であることを証明した。変異はいずれもナンセンスミューテーションまたはフレームシフトでORFが途中で中断されたものだった。現在、Wilms腫瘍の原因遺伝子もp57KIP2であると考え腫瘍で変異の検索をおこなっている。 本研究はゲノムインプリンティングが関わる疾患原因遺伝子を解明した世界で初めてのものである。またゲノミックインプリンティングによる癌抑制遺伝子の不活化はこれまでの発がんのメカニズムをかえるものである。
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