研究課題/領域番号 |
08265208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 医学部, 教授 (20134364)
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研究分担者 |
岡田 誠治 千葉大学, 医学部, 助手 (50282455)
幡野 雅彦 千葉大学, 医学部, 助手 (20208523)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | c-Fos / AP-1 / 幼若B細胞 / トランスジェニックマウス / アポトーシス |
研究概要 |
c-Fosを過剰発現するトランスジェニックマウスを用いた免疫学的解析により、初期分化過程にある幼若B細胞において分化障害が見られている。本研究では、この過剰のc-FosによるB細胞の分化障害の機序を分子のレベルで解明することを目的とした。c-FosはJunと複合体(AP-1)を形成し転写因子として作用するので、H2-c-junマウスを作製し、H2-c-fosマウスと交配させてAP-1の量を増加させたところ、B細胞の初期分化の障害が見られた。幼若B細胞では多量の内因性Junタンパクが作られているので、c-Fosを過剰産生させれば、過剰のAP-1による分化障害が見られると考えられた。そこで、この機構を解析するために、誘導型c-fos(Mx-c-fos)遺伝子をもつトランスジェニックマウス由来の骨髄細胞をPA6ストローマ細胞とIL-7を用いた培養系でB細胞を分化させる。このB細胞のいろいろな分化段階に発現誘導剤を加えて外因性c-Fosの発現を誘導することにより見られる幼若B細胞での分化障害をFACSを用いて解析した。その結果、幼若B細胞がアポトーシスに陥ることをTUNEL法で明らかにした。また、アポトーシスに陥った幼若B細胞の分化段階を、幼若細胞の各分化段階に表現される細胞表面抗原に対する蛍光モノクロナール抗体を用いて5カラーのFACSにより解析した。その結果、CD43^+のpro-B細胞がc-Fosの過剰発現によりアポトーシスに陥ることを明らかにした。 以上の結果、がん遺伝子であるc-FosがB細胞の初期分化を負の方向へ制御しうることが明らかになった。
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