研究課題/領域番号 |
08265211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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研究分担者 |
本間 利夫 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (10282526)
野島 美久 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90201699)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | CD29 / VLAインテグリン / 細胞外基質蛋白 / pp125FAK / チロシンリン酸化 / pp105 / Cas-L |
研究概要 |
CD29/VLAインテグリンは細胞外基質蛋白の受容体であるが,接着分子としての役割のみならずシグナル伝達にも関わり、癌細胞増殖、癌転移などの機能にも重要である。我々はCD29/VLAのリガンドの結合によりpp105、pp125FAK、PLCγ、パキシリン、MAPキナーゼなどの蛋白がチロシンリン酸化されること、pp125FAKはパキシリンに直接結合し、パキシリンへの結合能力とpp125FAKの接着斑局在能力とが一致することを明らかにしてきた。pp105はpp125FAKとは明らかに異なる蛋白でありながら、CD29/VLA刺激後のチロシンリン酸化のkineticsは全く同じ態度をとっているが、このpp105の構造については明らかでなかった。 今回我々はpp105のcDNAクローニングに成功し、p130Cas関連蛋白であることを同定した。pp105はリンパ系細胞に主として発現され、一方p130Casは非血液系細胞に主として発現される。これらの所見より我々はpp105をCas-L(リンパ球型Cas)と名付けた。Cas-LはCD29/VLA刺激依存性にFAK-C末端部分に直接会合し、チロシンリン酸化されたCas-LはCrk、Nck及びSHPTP2のSH2ドメインに結合する。上記の結果よりCD29/VLAインテグリン由来チロシンリン酸化の新しい構成分子が明らかにされ、Crk、Nck、SHPTP2がCD29/VLA由来シグナル伝達経路の下流に位置していることが示唆された。 CD29/VLAを介するシグナル伝達機構をさらに解析していくことは癌細胞増殖、転移のメカニズムの解明のみならず細胞内情報伝達機構の解明のためにも重要である。
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