研究課題/領域番号 |
08265213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
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研究分担者 |
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
櫨木 修 東京大学, 薬学部, 助教授 (80142751)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質3キナーゼ / ワ-トマニン / チロシンリン酸化 / G蛋白質 / 化学遊走因子受容体 / シグナル伝達 |
研究概要 |
イノシトールリン脂質(PI)のD-3位水酸基をリン酸化するPI3-キナーゼ(PI3-K)は、その調節サブユニットに存在するSrc homology2領域を介して、増殖因子受容体あるいは非受容体型キナーゼによってチロシンリン酸化された基質蛋白質と結合する。我々は、真菌代謝産物のワ-トマニンがPI3-Kを特異的に阻害すること、また好中球での走化性因子刺激に応答した活性酸素産生など、G蛋白質連関型受容体刺激を介する速い細胞応答にもPI3-Kが関与することを見い出した。本研究では、2種の細胞膜受容体ファミリー、すなわちチロシンキナーゼ型とG蛋白質連関(7回膜貫通)型という異なるタイプの受容体刺激によって活性化されるPI3-Kについて検討し、以下の知見を得た。 1.PI3-Kにはいくつかのファミリーが存在するが、好中球細胞ではG蛋白質βγサブユニット(Gβγ)に感受性があるタイプとして、チロシンリン酸化ペプチドには全く感受性を示さないものと、リン酸化ペプチド存在下にGβγによる活性化がさらに増強されるものが存在した。2.インスリンと走化性因子の両者で無傷好中球を刺激した際には、相乗的なPI3-Kの活性化が観察され、2種の受容体刺激の制御を受けるPI3-Kが生理的にも機能していることが示された。3.CHO細胞においても認められる上記の増強作用は、アクチン線維の再形成による膜ラッフリングの増大を伴った。4.ラット肝臓より種々のタイプのPI3-Kを精製して検討を加えた結果、チロシンリン酸化ペプチドとGβγによって相乗的に活性化される特性をもつPI3-Kは、βタイプを触媒サブユニットにもつファミリーであることが明らかにされた。
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