研究課題/領域番号 |
08265221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
久永 真市 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (20181092)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | cdc2 / サイクリン / 細胞分裂 / がん / 細胞増殖 / ヒトデ / 減数分裂 / 卵 |
研究概要 |
本研究の当初の目的は、がん細胞であるHeLa細胞を用いて細胞分裂進行に最も重要なサイクリンB・cdc2キナーゼとサイクリンA・cdc2キナーゼを、アンチセンスなどの方法により一方のみを不活性化し、それらの機能的な違いを明らかにしようとするものであった。しかし、同調した細胞での遺伝子導入が上手くいかず、材料をヒトデ卵に変えて研究を行った。cdc2キナーゼは真核細胞に共通の分裂期促進因子であり、細胞が異なってもその役割は変化しないものと考えられる。ヒトデ卵母細胞の第一減数分裂時には、サイクリンB・cdc2キナーゼのみが活性化され、サイクリンA・cdc2キナーゼの活性は第二減数分裂の分裂中期に初めて現れ、卵割期には両者の活性が検出された。サイクリンB・cdc2キナーゼは活性化にcdc25によるチロシン残基の脱リン酸化が必要であるのに対して、サイクリンA・cdc2キナーゼはチロシンリン酸化による活性制御を受けず、サイクリンAと結合すると直ちに活性化される。即ち、cdc25の活性化を阻害すれば、サイクリンA・cdc2キナーゼだけが活性化された状態がえられるはずである。そこで、cdc25の活性を阻害する抗体をヒトデ卵の第一卵割期前に微量注入し、細胞分裂の進行を観察した。実際に、サイクリンB・cdc2キナーゼの活性化が抑えられ、サイクリンA・cdc2キナーゼのみの活性が捉えられた。この時、細胞分裂は通常より20分ほど遅れて起こった。分裂が起こった時期には、サイクリンA・cdc2キナーゼの活性がサイクリンB・cdc2キナーゼの不足を補うように増加していたことから、全cdc2キナーゼの活性が一定レベルまで達すれば、分裂が進行するという可能性が考えられた。現在、詳しい解析を行っているところである。
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