研究課題/領域番号 |
08265223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
市村 徹 新潟大学, 理学部, 助手 (50213012)
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研究分担者 |
高橋 益広 新潟大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90179531)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 14-3-3 / リン酸化反応 / シグナル伝達 / ガン遺伝子 / タンパク質キナーゼ |
研究概要 |
Bcr-Abl蛋白質キナーゼは、慢性骨髄性白血病(CML)の患者で、染色体転座によって活性化されたセリン/スレオニン/チロシンキナーゼである。本研究では、このBcr-Ablキナーゼに結合し、このキナーゼでリン酸化されることが報告されている14-3-3蛋白質(以下14-3-3)をモデルとして、両蛋白質の相互作用に関わる構造上の特徴を明らかにすることを主目的とした。 バキュロウイルス/昆虫細胞タンパク質発現系を用いて調製したBcrキナーゼとさまざまの14-3-3部位欠質体との相互作用を解析した結果、14-3-3のアミノ酸番号で171-213の領域がBcrキナーゼとの結合に本質的であることが分かった。この領域はトリプトファン水酸化酵素に対する14-3-3の結合領域として以前に同定したもの(box1と命名;Ichimura et al.,JBC,1995)と完全に一致しており、box1がBcrキナーゼに対しても共通の結合領域であることが明らかとなった。さらに、この結合はBcrの自己リン酸化に依存したものであり、フォスファターゼ処理したBcrには14-3-3とbox1はもはや結合しなかった。 一方、Bcrキナーゼに結合した14-3-3或いはbox1は、Bcrのキナーゼ活性を何ら修飾しなかった。このことは、Bcrキナーゼのシグナル伝達経路において、14-3-3はBcrの活性を直接制御しているのではなく、Bcrとその細胞内基質、或いはBcrと他のシグナリング蛋白質を組織化するコーディネーターとして働いている可能性を示唆した。
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