研究課題/領域番号 |
08265237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
緒方 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (60224094)
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研究分担者 |
濱岡 利之 大阪大学, 医学部, 教授 (60028529)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / PTP36 / セリン / スレオニンキナーゼ / スレオニンホスファターゼ / トランスロケーション / 細胞接着 / 細胞増殖 |
研究概要 |
細胞接着等のシグナル伝達過程にチロシンホスファターゼ(protein tyrosine phosphatase,PTP)が関与することが阻害剤による実験等で示されているが、その実体については不明な点が多い。PTP36は、我々が明らかにし、細胞接着の影響をうけることを見い出したホスファターゼ相同性分子で、ezrin,radixin,moesin等の細胞骨格蛋白にみられるバンド4.1相同性ドメインを持つことと合わせて細胞接着のシグナル伝達に関与すると推定された。我々は、シグナル伝達におけるPTP36の役割を検討し、本年度は以下に要約する様な結果を得た。 1.バンド4.1相同性ドメインを持つチロシンホスファターゼ、PTP36は、セリンがリン酸化されており、細胞の剥離やv-srcの遺伝子導入によって、急速に脱リン酸化される。脱リン酸化はオカダ酸で完全に阻害されたことから、オカダ酸感受性のセリン/スレオニンホスファターゼが関与している。2.PTP36がセリン/スレオニンキナーゼと複合体を形成する事を明らかにした。このキナーゼはPTP36をin vitroでリン酸化し、またstaurospoine感受性であった。このキナーゼの候補分子は分子量約160kDaあるいは90kDaである。3.リン酸化がPTP36の細胞内局在を制御する事を明らかにした。PTP36は脱リン酸化されると細胞内での局在が変化した。このトランスロケーションは、脱リン酸化を阻害するオカダ酸で完全に制御された。 4.テトラサイクリンで調節可能なプロモーターを利用して、PTP36の発現が調節可能な遺伝子導入細胞を樹立した。この細胞ではPTP36の過剰発現を誘導すると、形態変化と増殖性の低下が認められた。
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