研究課題/領域番号 |
08265243
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丹羽 太貫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80093293)
|
研究分担者 |
神谷 研二 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60116564)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | メチルコラントレン / マウス肉腫 / 遺伝的不安定性誘発 / ミニサテライト配列 / c-myc遺伝子増幅 / K-ras遺伝子点突然変異 / p53遺伝子突然変異 / 突然変異スペクトル |
研究概要 |
メチルコラントレンで独立に誘発したマウス肉腫63株について、遺伝的不安定性誘発に関わる因子の解析を行い、以下のことを見いだした。 1.c-myc遺伝子増幅を持つ肉腫細胞株では、ミニサテライト配列の不安定性が見られた。これは、c-myc遺伝子増幅が何らかの機構により、相同組換え頻度の上昇と関与していることを示している。 2.c-myc遺伝子増幅を持つ肉腫細胞株では、持たないものと比較して優位にK-ras遺伝子の点突然変異が多く見られた。 3.c-myc遺伝子増幅の有無の如何に関わらず、マイクロサテライト配列は安定であった。すなわち、c-myc遺伝子の増幅はミスマッチ修復による突然変異誘発機構には影響を持たなかった。 4.上記で相関の見られた3つの指標(c-myc遺伝子増幅、ミニサテライト配列不安定性、K-ras遺伝子突然変異)と、p53遺伝子の突然変異の間には相関が見られなかった。これは、p53遺伝子突然変異で誘導される遺伝的不安定性と、上記3者で見た遺伝的不安定性とは、異なる機構であることを意味している。 5.K-ras遺伝子およびp53遺伝子の突然変異は、いずれもG→Tがほぼ全体の50%でG→Cは30%であり、メチルコラントレンによる突然変異のスペクトルを反映したものであった。
|