研究課題/領域番号 |
08265250
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助教授 (00166620)
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研究分担者 |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Src型チロシンキナーゼ / Csk homolosous kinase(Chl / Hyl) / M期 / 染色体 / 細胞内局在 / 細胞分裂 / 多核化 |
研究概要 |
Src型キナーゼの活性は、増殖因子などの刺激後G_0からG_1期および細胞分裂M期において、それぞれ一過性の活性上昇が見られ、Src型キナーゼの活性はCskによって常に抑制的に調節されている。我々は、Cskと高い相同性をもつHylを単離し、ゲノム構造の解析からCskとファミリーを形成することを明らかにしてきた。また最近、HylはC__-skh__-omologous k__-inase(Chk)へと名称が変更された。本研究では、ヒト血液系細胞を用いて、Chkが細胞増殖に与える作用を検討し、ChkとCskとの同時発現があることを考慮しながら、Src型キナーゼ活性制御機構を調べることを目的とした。1.Chkチロシンキナーゼは、Src型キナーゼ制御作用をもつCskと構造上類似する。我々が作製した単クローン抗体を用いたin vitroキナーゼアッセイの結果、ChkはCskと同様に、Src型キナーゼのC末端チロシン残基をリン酸化し、Src型キナーゼのチロシンリン酸化活性を抑制することがわかった。2.血液細胞と脳ではChkとCsk両者の発現がある。血小板において、ChkとCskの細胞内局在が異なり、ChkはCD36に会合しているLynの活性を局在変化により制御することが分かり、Translocation-controlled negative regulationと名付けた。ChkとCskのSrc型キナーゼへの機能分担を示すことができた。3.ヒト未熟骨髄系KMT-2細胞株にChk過剰発現した細胞は、増殖の遅延・多核化などが見られ、M期染色体分配異常が観察された。Chkの細胞内局在を調べたところ、ChkのみならずCskおよびSrc型キナーゼLynとc-Yesは核内にも存在していた。しかも、M期染色体にそれらは会合していた。Src型キナーゼとその制御機構が染色体の動態変化に関わっている可能性を示すことができた。
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