研究課題/領域番号 |
08265263
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
辻 崇一 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, チームリーダー (90124677)
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研究分担者 |
吉田 雪子 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, 研究員 (90271543)
小島 直也 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, 研究員 (30183338)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ガングリオシド / 増殖抑制 / 糖転移酵素 / シアル酸転移酵素 / テトラサイクリン |
研究概要 |
GD3合成酵素遺伝子を発現させた細胞に何が引き起こされて増殖抑制が起こるのかを分子細胞生物学的に解明すること、他の糖鎖遺伝子に同様の作用を持つものがあるか否か検討することを目的とし解析を進めた。 1.GD3合成酵素遺伝子を発現させたNeuro2a細胞の解析: 本年度は、昨年度開発したテトラサイクリン系を用いたGD3合成酵素の発現のOn/Offを人為的に制御できる系を用いて、GD3合成酵素遺伝子発現後、ガングリオシドの合成と細胞表層での発現過程、ならびに、増殖抑制あるいは形態的に神経突起伸展に至るまでの過程を、それぞれ経時的に解析した。その結果、(i)当該遺伝子発現後、ほぼ2週間後に増殖が抑制されるとともに神経突起伸展が観察されること。(ii)GD3合成酵素遺伝子の発現をOnにした後、8時間後にはmRNAの発現が観察され、以後低レベルながらほぼ一定量の発現が見られた。(iii)GD3合成酵素遺伝子発現後4日後までは、GD3の合成・発現は増大し、以後経時的に減少していった。それに相反して、GD1b,GQ1bの発現量は次第に増加し、10日後以降ほぼ一定になることが明らかになった。これらの結果は、GD3の発現が直接増殖抑制に結びつくというよりは、幾つかの情報伝達系を経て増殖抑制に至ることを示唆している。今後、Differential display法などを用いてさらに詳細にGD3合成酵素の発現を誘導後、増殖抑制に至るまでなにが起こるのかを解析してゆく必要がある。 2.他の糖鎖遺伝子に増殖抑制を促すものがあるか否かの検討: 我々がクローニングした16種の糖転移酵素遺伝子の中にGD3合成酵素遺伝子と同様の作用を持つものがあるか否かを検討したが、本年度は新しい系を見つけることはできなかった。まだ幾つか検討しなければならない系が残っているので、今後も継続して調べてゆくことが必要である。
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