研究課題/領域番号 |
08265270
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮木 美知子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (20085624)
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研究分担者 |
村岡 正敏 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (30260334)
田中 貴代子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (40124474)
矢ノ下 玲 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (00224915)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 遺伝性大腸腫瘍 / ミスマッチ修復遺伝子 / HNPCC / TGFβRII |
研究概要 |
HNPCCの発癌機構を明らかにするため、HNPCC患者の大腸腫瘍21検体および家族性大腸腺腫症(FAP)と一般集団の大腸腫瘍約600検体を、病理組織診断に従って分類し、マイクロサテライトDNAの変化、ミスマッチ修復遺伝子、癌抑制遺伝子、癌遺伝子およびTGFβRII遺伝子異常の頻度を比較した。HNPCC患者の場合には発癌の早期から95%以上の腫瘍が強い遺伝子の不活性化が確認された。non-HNPCCの場合には腺腫3%、進行癌16%、転移癌35%が微弱なRER(+)を示し、その内6%にミスマッチ修復遺伝子の体細胞変異のみが検出された。APC、p53、K-ras遺伝子変異および染色体5q、17p、18q、22qのLOHはHNPCCの大腸癌では20%以下でnon-HNPCCの癌(50-86%)に比べて低率であった(P<0.03)。TVFβRII遺伝子の変異はHNPCCでは80%、non-HNPCCでは5%であった(P=0.000001)。HNPCC患者の癌においてはTGFβRII蛋白質の発現も消失していた。 Turcot症候群の1例に発生した脳腫瘍1検体、大腸癌3検体、大腸腺腫2検体についてマイクロサテライト領域の変化を調べたところ、すべての腫瘍3/5領域以上での異常が認められた。大腸頑と腺腫にはTGFβRII遺伝子変異が検出された。また、大腸癌ではAPC遺伝子体細胞変異とp53遺伝子体細胞変異が、脳腫瘍ではp53体細胞変異が検出され、これらの遺伝子変化は一般のHNPCC患者の腫瘍に比べて高頻度であった。hMSH2およびhMLH1遺伝子の生殖細胞変異は検出されなかった。このTurcot患者を見られた著しい遺伝子不安定性から推察すると、通常のHNPCCとは異なる原因遺伝子を持つ可能性が考えられ、他のミスマッチ修復遺伝子についても解析している。
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