研究課題/領域番号 |
08266209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
遠藤 啓吾 群馬大学, 医学部, 教授 (10115800)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 放射性同位元素 / モノクローナル抗体 / 癌治療 / 遺伝子工学 / 悪性リンパ腫 |
研究概要 |
B細胞悪性リンパ腫ではCD20抗原に対するモノクローナル抗体を放射性同位元素(RI)で標識。RI標識抗体は悪性リンパ腫細胞に腫瘍特異的に結合し、放射性ヨード-131標識抗体がSCIDマウスに移植した悪性リンパ腫モデルで、腫瘍の発育を抑制し、大量の放射性ヨード-131標識抗体を投与すると、腫瘍が消失することが確かめられた。またヒト白血球と反応する抗体(NCA-95)を遺伝子工学の手法でヒト型化。RI標識ヒト型化抗体は骨髄に集積し、骨転移の画像診断や再生不良性貧血、骨髄増殖性疾患などの画像診断に有用で、安全に臨床応用されることが明らかとなった。RI標識抗体は造血器、リンパ系腫瘍の診断、治療に安全かつ有効に臨床応用される。 CD20抗原と反応するモノクローナル抗体が動物実験においてB細胞悪性リンパ腫の治療に有用なことが明らかとなった。使用するRI標識抗体に容量反応性が見られ、非標識抗体のみの投与でも軽度ではあるが、腫瘍縮小効果が認められた。RI標識抗体による悪性リンパ腫治療機序はなお不明な点も多いが、モノクローナル抗体単独で治療効果を示すことにより、今後さらに作用機序の検討、他の癌への応用の検討が不可欠となった。 抗体の投与に伴う免疫反応は遺伝子工学で開発されるヒト型化抗体の利用により解決され、安全に利用されることが確認された。さらにNCA-95に対する抗体は癌の骨転移や骨髄疾患の画像診断に有用なことが示された。同じ手法は白血球の集積する炎症の診断にも有用であると期待される。
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