研究課題/領域番号 |
08266226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 松年 名古屋大学, 医学部, 教授 (70090420)
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研究分担者 |
村手 隆 名古屋大学, 医学部, 助手 (30239537)
伊豆田 俊二 熊本大学, 理学部, 助教授 (50203047)
小泉 恵子 名古屋大学, 医学部, 講師 (00118027)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | DNAプライマーゼ / スフィンゴシン / テロメラーゼ / 細胞増殖 / 制がん剤 / 阻害剤 |
研究概要 |
レプリコン及び岡崎断片の複製開始に関与するDNAプライマーゼ及びがん細胞や生殖細胞のクロマチン複製の最終段階に働くテロメラーゼを分子標的とする新しい制がん剤を開発する事を目的として研究を開始し、以下の進展を得た。 1)DNAプライマーゼ阻害剤:平成8年度においては従来プライマーゼ阻害を認めたスフィンゴシンをリ-ド化合物とし、海洋微生物の産生するスフィンゴシン関連の天然物及び化学合成された十数種類の誘導体の酵素阻害を用いて、それらの阻害作用を精製酵素のレベル及び培養細胞の増殖とアポトーシスのレベルで比較したところ、酵素阻害と細胞増殖阻害の程度は良い相関を示し、スフィンゴシンの細胞増殖抑制の少なくとも一つのターゲットはDNAプライマーゼ阻害である事が強く示唆された。種々の化合物を検討した限りではスフィンゴシンが最も作用が強いが、今後さらに細胞膜透過性ならびに阻害の特異性を種々の化合物について検討し有力な候補を探る。 2)テロメラーゼ阻害剤:テロメラーゼ研究における最大の問題点は活性測定法にある。現在用いられているTRAP法は定性的には優れるが定量性に問題があり、阻害剤の検索には適しない。我々はこれを克服するためシンチレーション:ビーズを用いてTRAP法に定量性を付与したSPA法を考案した。テロメラーゼはラット腹水肝がん細胞の抽出物より、ゲルろ過を主体とした数段階のカラムクロマトグラフィーを用いて高度に精製することに成功した。この酵素を用いて阻害剤のスクリーニングを開始した。検索の対象としては、細胞増殖を阻害することが認められている海洋バクテリアの産生する天然物を主体とするが、逆転写酵素の阻害剤であるジデオキシヌクレオチド、AZT、等の糖部変換体についても検討している。
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