研究課題/領域番号 |
08266232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平岡 眞寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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研究分担者 |
大屋 夏生 京都大学, 医学研究科, 助手 (70281095)
笹井 啓資 京都大学, 医学研究科, 講師 (20225858)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 微小核形成試験 / 未成熟染色体凝集 / アポトーシス / predictive assay / FISH / 感受性予測法 |
研究概要 |
ヒト線維肉腫由来のHT1080細胞より分離した放射線感受性が等しいがDNA ploidy(DNA index 2.0および1.1)の異なる2クローンおよびこれらに放射線感受性がほぼ等しががDNA indexの異なるA0I細胞、PC9について微小核形成試験を行った。この際、微小核の発生頻度にたいする腫瘍細胞のDNA ploidyおよび染色体数の影響について検討した。微小核の頻度は、同一の放射線線量ではDNA indexに依存して増加し、DNA indexで微小核数を補正する事により、微小核頻度と細胞生存率がより高い相関を示した。上記の細胞を用い未成熟染色体凝集法に蛍光in situ hybridizationの併用で検出される第4染色体障害にたいする染色体数の影響を求めたところ、染色体障害数は生検標本の照射前の第4染色体数で補正する必要があることが確認された。次に、DU‐145、SHIN‐3細胞、F9細胞およびCHO‐k1細胞の4種類の細胞を用いアポトーシスの微小核形成試験法の精度にたいする影響を求めた。アポトーシスがほとんど認められないCHO‐k1、DU‐145およびSHIN‐3では細胞の種類に関係なく、微小核の頻度と細胞生存率に強い相関を認めたが、放射線によりアポトーシスが多く誘導されるF9細胞では大きくはずれていた。このように放射線でアポトーシスが多く誘導される細胞については、微小核形成試験法を用いて細胞の放射線感受性を予測することは困難である事が明らかとなり、微小核形成試験法を用いて腫瘍の放射線感受性を求める場合、アポトーシスも同時に検出する必要があると考えられた。 今後、臨床症例について微小核形成試験法、未成熟染色体凝集法およびアポトーシスの検出をさらに進め精度の高い腫瘍の放射線感受性が予測方法を確立したい。
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