研究課題/領域番号 |
08266234
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻原 俊男 大阪大学, 医学部, 教授 (60107042)
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研究分担者 |
森下 竜一 大阪大学, 医学部, 助手
守口 篤 大阪大学, 医学部, 助手 (10273666)
楽木 宏実 大阪大学, 医学部, 助手 (20252679)
桧垣 実男 大阪大学, 医学部, 講師 (70189744)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / デコイ / 遺伝子導入 / NFkB / E2F / がん / 悪疫質 / サイトカイン |
研究概要 |
本年度は、まず転写調節因子NFkBに対するおとり型核酸医薬のがん細胞増殖抑制作用及び悪疫質改善作用を、アデノカルチノーマコロン26のマウス皮膚への移植モデルを用いて検討した。NFkBに対するデコイをHVJ-リポソーム法を用いて、直接腫瘍内へ連日投与を行ったところ、腫瘍サイズは対照群であるスクランブルデコイとNFkBデコイ投与群で有意な差を認めなかった。しかし、悪疫質の指標である体重減少や食欲減退などは、対照群に比べNFkBデコイ投与群で有意な改善を認め、悪疫質の予防が可能であった。また、血清カルシウム濃度は、スクランブルデコイ投与群に比べNFkBデコイ投与群で低下していた。以上の結果より、サイトカインや接着因子の発現調節を行う転写調節因子NFkBをターゲットとするデコイの投与により、がん悪疫質が改善する事が示された。特に、インターロイキン6依存性と考えられている高カルシウム血症の改善も見られているため、転写調節因子NFkBを介したインターロイキン6などのサイトカインの活性化が悪疫質の病態に関与している可能性が考えられた(平成9年度遺伝子治療学会発表予定、論文投稿中)。現在更に転写に対するNFkBデコイ投与の作用を検討している。 また、転写調節因子E2Fに対するデコイの作用を検討したが、対照群とE2Fデコイ投与群で腫瘍サイズや悪疫質の指標に有意な差を認めなかった。E2Fデコイによる細胞周期制御と細胞増殖抑制が可能である正常細胞とがん細胞の細胞周期制御は異なっている可能性があると考え、現在他のがんモデルを用いて検討中である。 以上のように、本年度はNFkBをターゲットとするおとり型核酸医薬が、がん悪疫質改善に効果があり、がん治療のターゲットとしてNFkBが重要であることが明らかにした。
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