研究課題/領域番号 |
08266238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
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研究分担者 |
木下 芳一 神戸大学, 医学部, 講師 (30243306)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | c‐kit / stem cell factor(SCF) / ドミナント・ネガティブ効果 / 変異c‐kit / 胃癌 |
研究概要 |
ヒト胃癌細胞ECC12はc‐kitとstem cell factor(SCF)を同時に発現しており、これによるオートクリン増殖がおこなわれている。一方GCIY細胞は、正常c‐kitと子分子c‐kitを発現しているが、SCFを投与しても、そのチロシン・リン酸化は見られず、また細胞増殖も促進されない。そこで、本細胞からc‐kitをクローニングしたところ、正常c‐kitと同時に、変異によりストップ・コドンとなった小分子c‐kitが得られた。本小分子c‐kitはチロジン・キナーゼ・ドメインのチロジン残基がストップ・コドンとなっており、したがってチロジン・リン酸化による二量体が生成されない可能性がある。これらのcDNAの全長を得、これを別々に、または同時にCOS細胞に導入したところ、正常c‐kitのみの導入細胞ではSCFによりc‐kitのチロシン・リン酸化がみられ、細胞増殖も促進されたが、小分子c‐kitのみの導入では変化はみられなかった。さらにこれらを同時に発現したCOS細胞では、SCFによるチロシン・リン酸ならびに増殖促進効果はc‐kitのみの導入細胞より著名に抑制されていた。 以上より、小分子c‐kit遺伝子は、SCFと結合はするもののSCF受容体としてまったく機能していないと考えられた。さらに小分子c‐kitは正常c‐kitの作用を抑制するドミナント・ネガティブ効果をもつことが示された。以上の事実から、c‐kitを発現している癌に対して本小分子c‐kit遺伝子を用いることにり、遺伝子治療がおこなえる可能性が考えられた。
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