研究課題/領域番号 |
08266240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
水野 元夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90221605)
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研究分担者 |
辻 孝夫 岡山大学, 医学部, 教授 (80033306)
藤田 禎三 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20134223)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 大腸癌 / Decay-accelerating factor / 膜性補体制御因子 / 便潜血 / 大腸癌検診 |
研究概要 |
大腸癌に特異的で、出血とは無関係な癌マーカーによる大腸癌検査法の開発は重要な課題である。我々は膜性補体制御因子の一つであるDecay-accelerating factor : DAFの発現が大腸癌で著しく亢進し、患者便中DAF測定が、便潜血とは独立した大腸癌検出の新しい検査法としての可能性があることを示したが、本研究では、便中DAF測定の大腸癌検出における有用性を検討し、以下の点を明らかにした。 (1)大腸癌検出感度の向上に関する検討 患者一人あたり複数回の便を採取し、大腸癌の検出感度におよぼす影響を検討したところ、検体数を増やすことにより大腸癌の検出感度が向上する可能性が明らかとなった。 (2)大腸癌組織におけるDAF発現の解析 大腸癌細胞で発現するDAFの性状を明らかにするために、northern blot、western blotにて解析し、大腸癌組織におけるDAFmRNAの増加と、発現したDAF蛋白のo-glycoside結合糖鎖の変化によるheterogeneityがみられることを明らかにした。 (3)大腸癌における便中DAF出現の機構の解析 培養大腸癌細胞Caco2細胞を用いて、培養上清へのDAF蛋白の放出を、細胞表面のbiotin標識と培養上清の免疫沈降により解析した。Caco2細胞は、構成的にDAFを発現し、通常の培養条件で、細胞表面よりDAFを培養上清中に放出していた。Caco2大腸癌細胞が大腸癌患者便中DAFの性状を解析する有用なモデルとなることを明らかにした。 (4)胃癌など他の消化器癌における組織中DAFの発現の検討 胃粘膜上皮におけるDAFの発現を、免疫組織学的に検討し、腸上皮化生、胃腺腫、intestinal type胃癌におけるDAFの発現の亢進を明らかにした。
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