研究課題/領域番号 |
08266251
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松岡 雅雄 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (10244138)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病 / HTLV-I / Fas ligand / アポトーシス / 遺伝子治療 |
研究概要 |
1.殆どの成人T細胞白血病細胞にFas抗原が高発現しており抗Fas抗体、Fas ligandを加えることによりアポトーシスを誘導できることが明らかとなった。 2.一部のATL症例(2/47例)ではFas抗原の発現がみられずFas抗体によってもアポトーシスの誘導が起こらないことが明らかにした。Fas陰性のATL細胞はFas抗体耐性であるだけでなくデキサメサゾンなどでもアポトーシスを誘導できず他のアポトーシスの系にも異常があることを示唆された(第55日本癌学会にて発表)。 3.Fas陰性ATL細胞の遺伝子レベルの解析では一例の一方のalleleに5bpの欠損と1bpの挿入がありpremature terminationが起こっており、もう一方のalleleではexon4のexon skippingが起こっていることが明らかとなった。本症例では、このためFas抗原の欠損が起こっていることが明らかとなった(第55回日本癌学会にて発表)。第二例目のFas陰性のATLではRNAレベルでの発現がないことが明らかとなった。 4.Fas ligandにATL細胞特異性をもたせるためHIVgp120とFas ligandのC末端を融合させたキメラ分子を作製した。この分子の発現ベクターをCos細胞にトランスフェクトし、その培養上清をJurkat,ED(ATL由来細胞株)に添加し、アポトーシスの誘導をみた。コントロールのFas ligandと比較しキメラ分子ではアポトーシス誘導能が約1/10まで低下していた。これはキメラ分子がアポトーシス誘導に必要な三量体形成ができないためと考えられた。今後、三量体形成可能なキメラ分子の作製、Fas ligand発現を誘導できる(Tet-on system)ベクターの細胞への導入などの実験を進めていく予定である。
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