研究課題/領域番号 |
08266265
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
馬場 嘉信 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (30183916)
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研究分担者 |
林 健志 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (00019671)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | キャピラリー電気泳動 / キャピラリーアレイ電気泳動 / SSCP / PCR / がん / 遺伝子診断 / レーザー蛍光検出 |
研究概要 |
本研究においては、CE-LIFとF-SSCPの有機的結合によるがんの高性能遺伝子診断システムを完成させるために以下の研究を進めた。また、キャピラリーアレイ電気泳動(CAE)開発に必要な新規ゲルの開発を行った。さらに、CAEのマイクロチップ化に関する基礎的検討を行った。 1.がん関連遺伝子について、既に開発したCE-LIFシステムを用いてSSCPを解析し、正確、迅速に遺伝子診断が出来ることを明らかにした。変異の検出感度を従来法と比較したところ、10倍以上の感度で検出できることが明らかとなった。また、解析に要する時間は、100塩基程度のDNAで10分、300塩基程度のDNAでは20分であった。以上の検討によりCE-LIFとF-SSCPを結合し、CE-LIFの迅速さ、高感度さとF-SSCPの簡便さを兼ね添えたがんの高性能遺伝子診断システムを開発した。 2.キャピラリーアレイ電気泳動(CAE)を開発するために、新たに、熱可逆性ゲルである数種の新規ゲルを開発した。このゲルは、室温ではSSCP解析を行い、ゲルの温度を上昇させるとキャピラリーから押し出し新たなゲルと交換できる。従つて、この新規ゲルを用いれば、ゲル充填キャピラリーを大量に調整することなく、測定毎にゲルを交換するだけで、高精度なSSCP解析を行うことができる。 3.CAEシステムをマイクロチップ化することにより、更なる高速化と高精度化が期待されるので、そのために、マイクロチップ化CE装置を試作し、500塩基対程度のDANを3分以内に解析できることを明らかにした。 これらの成果は、がんの遺伝子診断を高速化・高精度化する上で重要な貢献をなすものである。以上の研究成果を基礎に、今後は、さらに、マイクロチップ化CAEシステムを開発し、多数のがん関連遺伝子の多型を同時に検出できるがんの超高速遺伝子診断システムを確立するための検討を行う。
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