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温熱耐性の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08266272
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

大塚 健三  愛知県がんセンター, 放射線部, 室長 (40150213)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードHsp40 / DnaJ / Hsp70 / thermotolerance / chaperone
研究概要

我々が見出した40-kDaのHsp40はバクテリア熱ショック蛋白質DnaJの相同体である。これまでに,Hsp40熱ショック時にHsp70とともに核,核小体に移行して局在を同じくすること,またHsp70と会合していることなどを報告してきた。
今年度はまず,精製したリコンビナントHsp40およびHsc70を用いて生化学的研究を行った。Hsc70は弱いながらATPase活性をもっているが,Hsp40は2-3倍程度その活性を促進した。この促進活性は42-45℃では4-5倍に増加した。このことはHsp40/Hsc70が厳しいストレス条件下でも効率よく分子シャペロンとして機能することを示唆している。また,モデル蛋白質としてロ-ダニ-スを用いた実験では,Hsp40とHsc70が協調的に働いて,変性したロ-ダニ-スの凝集を抑制し,ある程度活性を回復させることも示された。ただしHsp40単独ではこのような活性は見られなかった。
次に,細胞内でのHsp40/Hsp70のシャペロン機能を調べるために,ルシフェラーゼを発現している細胞にHsp40 and/or Hsp70遺伝子を導入し,熱ショックによるルシフェラーゼの失活および失活後の活性回復に対するHsp40とHsp70の効果を検討した。ルシフェラーゼの失活に対しては,Hsp40単独では全く防護効果がみられないが,Hsp70またはHsp70+Hsp40ではほぼ同程度の防護効果がみられた。またルシフェラーゼの失活後の活性回復に対しては,Hsp40単独ではやはり効果がなく,Hsp70単独でもわずかながら効果がみられるが,Hsp70+Hsp40ではさらに強い回復効果が認められた。これは細胞内でのHsp70/Hsp40のシャペロン活性を示した初めての報告である。またHsp40単独では防護効果も回復効果もみられないことは上述の生化学的結果ともよく対応する。
以上の結果から,Hsp70とHsp40は変性蛋白質の凝集を防いで元どうりに折りたたむように機能しており,これが温熱耐性の分子機構の1つであることが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Minami,Y.et al: "Regulation of the heat-shock protein 70 reaction cycle by the mammalian DnaJ homolog,Hsp40." J.Biol.Chem.271. 19617-19624 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Terada,K.et al: "The requirement of heat shock cognate 70 protein for mitochondial import varies among precursor proteins and ……" Mol.Cell.Biol.16. 6103-6109 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Hata,M.et al.: "Genomic cloning of a human heat shock protein 40 (Hsp40) gene (HSOF1) and its chromosomal localization to 19p13.2." Genomics. 38. 446-449 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 大塚健三: "ストレス応答と分子シャペロン" 放射線科学. 39. 197-201 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Ohtsuka,K.: "Guidbook to Molecular Chaperones and Protein Folding Catalysis" MJ Gething (ed),Oxford University Press (in press), (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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