研究課題/領域番号 |
08268226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平野 丈夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50181178)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 小脳 / 顆粒細胞 / カリウムイオン / 陽イオンチャネル / 膜電位 / テトラエチルアンモニウム / チアミノピリジン |
研究概要 |
生後15日から20日のマウス小脳より厚さ150μmの切片を切りだし、皮質の顆粒細胞からパッチクランプ法のホールセルモードで膜電流記録を行った。細胞外液のKイオン濃度を3mMより18mMに増加したところ、‐60mVより脱分極した電位で10msec程度の時定数で活性化され、数100msec程度の時定数で不活性化される電流を見い出し、I_<CK>と名づけた。I_<CK>は0mV付近で電流の向きが逆転し、細胞内の陰イオンを大きな有機イオンに置き換えても観察できた。従って、I_<CK>はイオン選択性の弱い陽イオンチャネル電流ではないかと考えられる。なお、実験はNaチャネル・Caチャネル・Kチャネル・グルタミン酸受容体チャネル・GABA受容体チャネルの阻害剤のテドロドトキシン・Cdイオン・Niイオン・細胞内Csイオン・ビキュキュリン・CNQX・AP5等の存在下で行った。I_<CK>は通常の外液中では認められず、高Kイオン外液により誘導されるユニークな電流であり、新規なチャネルがこの電流を通している可能性が考えられる。なお、細胞外液のCaイオンを除き細胞内にEGTAを加えてもI_<CK>は観察できたので、I_<CK>の誘導にはCaイオンは直接的には関与していない。各膜電位より‐80mVに膜電位を変化させた時のTail電流の測定を行い、チャネル活性化の膜電位依存性を計測したところ、I_<CK>は‐50mVより正の電位で活性化し、0mVではほぼ完全に活性化していることが明らかになった。また、I_<CK>の不活性化は内向き電流に依存したものであることも判明した。I_<CK>はKチャネルの阻害剤として知られるTEA・4APによって低濃度でブロックされた。
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