研究課題/領域番号 |
08269102
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木村 富紀 関西医科大学, 医学部, 助教授 (40186325)
|
研究分担者 |
後藤 俊幸 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30121651)
中井 益代 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084832)
西川 正雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (40218136)
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | HIV-1 / Rev / 構造遺伝子mRNA / 核外輸送 / eIF5A / Ran / GTPaseサイクル / 翻訳調節 / アクチン |
研究概要 |
HIV-1 Rev蛋白の作用機作として、RREを有する構造遺伝子mRNA(RRE RNA)の核外輸送並びに同mRNAの翻訳を調節する効果を想定し検討した。1.核外輸送調節:(1)Rev 活性ドメインに結合する細胞因子がRevによるmRNA核外輸送に果たす役割を知る目的で、これらを吸着・除去するHTLV-1 Rexのミュータントを用いて解析した所、Rev-mRNA複合体が形成されている場合でもこれらの細胞因子が除かれればRRE RNAの核外輸送は生じない事、又この抑制はRev活性化ドメイン結合蛋白と考えられるeIF5Aを補うことによって部分回復をすることを証明した。(2)RRE RNA-Rev-細胞因子複合体の核膜孔通過がRan/GTPaseサイクルにより調節される可能性を検討する目的で、Ranに対するGDP/GTP交換因子であるRCC1の温度感受性変異細胞を用いウイルスmRNAの核外輸送に対する影響を検討した。その結果、Rev依存性mRNAの核膜孔通過にはRan-GTPの存在が必須である事が判明した。以上から、RRE RNAの核外輸送にはRevとの複合体形成に引き続き同蛋白に対するeIF5Aの結合が少なくとも必要であり、又核膜孔通過に当たってはRan/GTPaseサイクルによる調節を受ける事が明らかとなった。2.翻訳調節効果:従来から、Rev(-)細胞細胞質に蛋白発現を伴わぬRRE RNAの存在を認めてきた。このmRNAの存在様式をRev(+)細胞と比較したところ、同RNAの核外輸送初期に一致してRev存在下にのみ核周囲にmRNA凝集塊形成が観察された。この凝集塊には、アクチン、eIF4E並びに対応するウイルス構造蛋白が共存するのに対し、Rev(-)細胞に認められる凝集塊非形成性の細胞質mRNAにはアクチンとの共存は認められなかった。この結果から、RevはRRE RNAを核外に輸送後、細胞骨格上に構成されるsupramolecular complexとしての翻訳機構へこれを誘導する調節効果を有すると考えた。
|