AIDS(後天性免疫不全症候群)はヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染により引き起こされる。しかし、その病理像としてのCD4T細胞の選択的減少については未だ定説は無い。特に、血中よりウイルス粒子の検出されない無症状期間にもリンパ節及血中においてCD4T細胞のある集団のみが減少することにより、免疫力低下を招き日和見感染症が 起こると考えられる、が、その原因は明らかではない。著者はNef蛋白質がAIDSの誘因物質であるとの仮説を証明する為、平成2-6年度本科学研究費により、HIV-1感染細胞表面にNef分子カルボキシル末端部位が露出しており、この部位が非感染CD4T細胞の24KDa Nefレセプターと結合することを証明した。また、この結合反応は非感染CD4T細胞を4-6時間内に死滅へと誘導することを発見した(発表論文)。さらに、Nefレセプター蛋白の分離精製を行い、精製標品を抗原として抗Nefレセプター単クローン抗体の作製を行った(論文投稿中)。
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