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TatおよびNef蛋白のレドックス制御異常による細胞死と細胞内シグナル失調の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08269212
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

淀井 淳司  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワードチオレドキシン / レドックス制御 / HIV感染 / 酸化ストレス
研究概要

HIV感染では還元環境の異常が報告されており、細胞内還元環境維持に重要な役割を果たしているグルタチオンやチオレドキシンなどの抗酸化剤によるその防御が重要である。過酸化水素をはじめとする酸化ストレスはNF‐kBなどの転写因子の活性化に関与し、HIVウイルスの増殖を促進する。また、HIVウイルスのgp120蛋白とリンパ球表面のCD4分子との接着もレドックス制御を受けていることが明らかとなった。今年度の成果として1)我々はP MAによるCD4分子の発現低下が、酸化ストレスにより制御され、これまでに知られているセリン燐酸化およびCD4とP561ckの乖離以外の新しい制御メカニズムによることを明らかにした。このことは、炎症などの酸化ストレスがHIVウイルスのTリンパ球への感染を促進することを示唆する。酸化ストレスによるCD4発現抑制のメカニズムをさらに検討する予定である。
2)また、JurkatおよびU937にHIVを感染させ、経時的にチオレドキシン,Bcl‐2,HIVp24,アクチン量を検討した。感染初期にアポトーシスによる細胞死の時期に一致してBcl‐2とチオレドキシンの発現低下を認め、Bcl‐2のアンチセンスDNA発現transfectantではHIV感染によりコントロールに比し、より高率にアポトーシスを認めた。現在その発現変動のメカニズムとしてウイルス蛋白の関与の解析を行っている。
3)さらに、HIV感染者での血中チオレドキシン値をsandwitch ELISAにて検討したところ、HIV陽性群は陰性群に比べてチオレドキシンは高い傾向が認められた。HIV陽性群の中でも、血中チオレドキシンが高い群では生存期間が短縮しており、予後不良の結果が得られ、予後判定のモニターとして有用であることが考えられた。これはHIV感染が進展した状態での酸化ストレスによるものと考えられ、今後このチオレドキシン高値が何によるものかをさらに解析していくことが重要だと思われる。これらの研究を通じてエイズ病態におけるレドックス異常のメカニズムを解析し、エイズ病態把握の指標を作成することを目指す。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nakamura,K.: "Alternative binding of p56lck and phosphatidylinositol 3‐kinase in T cells by sulfhydryl oxidation;" Moleculer Immunil.33. 855‐865 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Matsui,M.: "Early embrynic lethality caused by targeted disruption of the mouse thioredoxin gene." Develop.Biol.178. 179‐185 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Nakamura,K.: "Inhibition of Protein Kinase C‐Mediated CD4 Down‐Regulation by Oxidative Stress in T Lymphocytes." J.Immunol.157. 5339‐5349 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Nakamura H,: "Elevation of plasma thioredoxin levels in HIV‐infected individuals." Int.Immunol.8. 603‐611 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Taniguchi Y,: "A novel promotor sequence in involved in the oxidative stress‐induced expression of the adult T cell leuekmia‐derived factor (ADF) /human thioredoxin (Trx) gene." Nucl Acid Res.24. 2746‐2752 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] K.Hirota,: "AP‐1 Transcriptional Activity is Regulated by a Direct Association between Thioredoxin and ref‐1." Proc Natl Acad Sci USA. (in press).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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