研究課題/領域番号 |
08269217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エイズ / ヒトヘルペスウイルス6型 / アポトーシス / CD4 / Tリンパ球 / 免疫不全 |
研究概要 |
ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)は、新たに発見されたCD4陽性T細胞感染性ウイルスである。本研究では、HHV-6のエイズ発症における関与を検討するため、このウイルスによってもたらされるCD4陽性T細胞のアポトーシスのメカニズムを検討した。 方法:T細胞株であるJJHAN細胞にHHV-6を接種し、一部の実験では、TNF-αもしくは抗Fas抗体を添加し培養した。TNFレセプター発現は、モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーおよびScatchard analysisにより実施した。アポトーシスは電顕による形態学、アガロースゲル電気泳動によるDNA断片化の確認、propidium iodide染色によるDNA量のフロサイトメトリーによる定量などによって行った。 結果:1)T細胞にHHV-6を接種することにより、T細胞はアポトーシスをきたし、その程度はTNF-α添加によって増強された。2)HHV-6感染細胞ではp55型TNFレセプター(TNF-R1)発現量が増加した。3)HHV-6接種によってFasおよびBcl-2の発現量に変化は認めなっかたが、抗Fas抗体添加によってアポトーシスの程度は著しく増強された。4)アポトーシスをきたした細胞にはウイルス粒子は観察されず、HHV-6抗原も陰性であった。5)T細胞のアポトーシス誘導に細胞内でのHHV-6増殖は直接必要なく、HHV-6感染細胞の培養上清にはHHV-6非感染細胞にアポトーシスを誘導する作用があることが明らかとなった。 考察:以上の結果より、HHV-6はT細胞に間接的なメカニズムによってアポトーシスを誘導することが明らかとなった。このような現象は、HIV-1感染におけるアポトーシスのメカニズムと極めて類似しており、HHV-6はHIV-1感染者におけるエイズ発症の重要な補助因子であることが示唆された。
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