研究課題/領域番号 |
08269227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
間 陽子 理化学研究所, 安全評価研究室, 先任研究員 (50182994)
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研究分担者 |
蒲田 正和 理化学研究所, 安全評価研究室, 奨励研究員 (00291063)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | HIV-1 vpr遺伝子 / ロイシンジッパー様配列 / 細胞増殖抑制効果 / 細胞内結合蛋白質 / G2期アレスト / 核局在 |
研究概要 |
HIV-1vpr遺伝子産物は、リンパ球系の細胞周期をG2期でarrestすることにより細胞増殖を抑制する一方、横紋筋肉腫細胞の分化を誘導すること、細胞ごとに異なる細胞内蛋白と結合することが報告された。本研究では、AIDSの発症におけるvpr遺伝子の意義を明らかにするため、Vpr蛋白の細胞増殖に及ぼす効果とその機序を解析した。 (1)HIV-1感染性DNAクローンpNL432由来のvpr遺伝子断片を高度発現ベクターに挿入後、種々の細胞株に導入した。齧歯類細胞において、Vpr蛋白はG2期arrestとは異なる機構を用いて細胞増殖を抑制することを発見した。同様の効果は、細胞周期をG2期でarrestすることにより細胞の増殖抑制を示す霊長類細胞にも存在することを世界に先駆けて証明した。 (2)Vpr蛋白には、酸性アミノ酸領域、a-helix構造、loop構造、ロイシンジッパー様配列、アルギニンに富む領域等のドメイン構造が存在する。Vpr蛋白の機能ドメインを同定するため、Vpr蛋白の欠失変異体および点変異体を作製した。蛋白発現にはロイシンジッパー様配列が、核局在能にはa-helix構造が、G2期arrest能には96アミノ酸からなるVpr蛋白質全体の高次構造が重要であること、特にロイシンジッパー様配列が必須であることを見い出した。更に、G2期arrest以外の細胞増殖抑制効果にはロイシンジッパー様配列の関与が明らかになった。このロイシンジッパー様配列は、HIV-2、SIVにではなく、病原性の強いHIV-1のVpr蛋白に特徴的な構造であった。 (3)Vpr蛋白発現細胞の培養上清は、vpr遺伝子非導入細胞に細胞増殖抑制効果を誘導した。
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