研究課題/領域番号 |
08270202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルシウムイオン / カルモデュリン / 脳 / 蛋白質燐酸化酵素 / シグナル伝達 / 酵素活性の調節機構 / 蛋白質燐酸化反応 / プロテインキナーゼキナーゼ |
研究概要 |
脳にはカルシウム/カルモデュリン依存性の多機能性蛋白質燐酸化酵素(CaMキナーゼ)として、CaMキナーゼII、IV、Iの3種類の酵素が知られており、このうちCaMキナーゼIVとIは上流のカルシウム/カルモデュリン依存性の蛋白質燐酸化酵素(CaMキナーゼキナーゼ)によって燐酸化されて活性化されることが明らかになっている。本研究課題ではこのカルシウム/カルモデュリン/キナーゼ/キナーゼ・カスケードを研究し次のような研究成果をあげた。 1.ラットのカルシウム/カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素(CaMキナーゼ)IVのcDNAを昆虫細胞や大腸菌で発現して得た多量の精製酵素を用いて酵素の基本的な性質を明らかにした。 2.CaMキナーゼIVを燐酸化して著明に活性化する上流のCaMキナーゼキナーゼ(α)のcDNAをラットの脳からクローニングし、そのヌクレオチド配列を決めた。 3.ラットの脳にCaMキナーゼキナーゼのアイソフォーム(β)が存在することを見い出し、精製してその性質を調べた。 4.CaMキナーゼキナーゼαの特異抗体を調製し、酵素の脳内分布を免疫組織化学的に調べた。 5.CaMキナーゼキナーゼによるCaMキナーゼIVの活性化は、CaMキナーゼIVのN末端から196番目のスレオニン(スレオニン-196)の燐酸化によるものであることを明らかにし、またCaMキナーゼキナーゼαは多数の燐酸化サイトを持つCaMキナーゼIVのスレオニン-196のみしか燐酸化しない基質特異性の高い蛋白質燐酸化酵素であることを明らかにした。 6.CaMキナーゼキナーゼによってスレオニン-196を燐酸化されて活性化されたCaMキナーゼIVは、その後カルシウムイオン濃度が低下すると自分のセリン-332を自己燐酸化してカルシウム/カルモデュリン依存性の活性を完全に失うことを見い出した。
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